~序章~
この物語の主人公、真田琥珀が見た夢。
その夢に出てきた少女に瓜二つの転入生。
琥珀と臨の出会い。
臨と出会ったことによって、琥珀の運命の歯車は
回りだす......
~序章~ -琥珀-
~ そこは、今の人間から見たら、異次元の世界...
荒れ狂う化物。醜い雄叫び。
今、狂っているこの世界は......「妖界」。
様々な妖怪の住家。妖怪の世界。
その中で、私は白い少女と共に白い女の人と男の人に見送られながら
不思議な門をくぐろうとしていた... ~
「起きろ!琥珀ー!!」
一階から弟の準が呼ぶ声がする。
ベットからあくびをしながら飛び降りた私は、先ほど見た夢を思い返した。
私は真田琥珀。平凡に暮らす、なんのとりえのない小学4年生。
そして、夢に出てきた少女...
あの白い少女...誰なの?そして、白い女の人に男の人......。
「琥珀ー?」今度はお母さんが私を呼んだ。
パジャマから、私服に着替えると、私は言った。
「今行くよー!」
キーンコーンカーンコーン♪
チャイムが鳴り、生徒達は席に着く。
担任の吉岡先生が、教室に入り、いつもより緊張気味に出席を取り始めた。
そして、私達が思っても見なかったことを言った。
今日は新しい転入生が来ています。
生徒はざわめいた。そんなことは、誰も耳にしていなかったから。
そして教室に入って来たのは...
夢に出てきたあの少女だった。
いや、あの少女にそっくりな女の子だった。
吉岡先生は女の子の紹介をした。
「今日から4ー1に転入してくる、白雪臨さんです。
皆さん仲良くしてあげてね。」
そして、臨という少女は口を開いた。
「白雪臨です。よろしくおねがいします。」
臨は私の視線に気がついて、にっこりと微笑んだ。
これが私、琥珀と臨の出会いでした。