とある音声について4
「なあ近江。ちょっと張り切りすぎじゃね?全然休み取れてないだろ。休まねえと先にあんたの体壊れるよ。そうなったらこっちも困るから休む時は休んでくれよ。」
口調が強い割に心配性の小野寺君はいつもこう言ってくる。自分では休んでいるつもりだし遠征しても普通にホテルで大好きなお酒を飲みまくっている。
「小野寺くん、私は普通にやっているよ。ホテルで晩酌もしてるし、気楽に。でもそれだけじゃ読者は満足しないから仕事の時はちゃんとやる。わかった?」
「あっそ、リアリティだけ求めてもなんも生まないと思うけどな俺は。まあ近江がそう言うならそれでいいけどさ。てか、取材OKの人3人出てきたよ。1人は東京、もう1人は広島、あと1人は秋田。また遠征ばっかだよ。」
「あ、そんなにOKの人出てきた?東京は車で行けるけど……秋田とかは新幹線とかかなあ。新幹線で飲むお酒はいいぞ……」
「最近酒飲みすぎな、肝臓逝くぞ。」
「お酒はそれだからいいんだよ。」
仕事中とは思えないほど意味不明な会話をしている私たちだが、私の内心は少し焦っていた。
あまりにも出てくる被害者が多すぎる。
そして私は気づいた。
被害者が増えれば増えるほど、その曲の内容が若干だが変化していっている。
最初の方は不協和音の電子音・何かを叩く音・女の声だったけれども最近は不協和音の電子音・何かを叩く音・衝撃音・何かが潰される音・女の声・よく分からない動物の声と、明らかに音数が増えている。
これをネタにすれば次の記事の内容には困らないけれども、まだ不確定要素が多い。
なぜなら人によってランダムに内容が変化しているから。
人によってはまだ初期段階と同じような曲が流れてくる人もいる。
まだこれを記事のネタにするのは早そう。




