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プロローグ
「俺も連れていって欲しい。」
10歳ぐらいだろうか、ぼろぼろの少年に声をかけられた。そんな俺は,,,
今日の仕事は夏川宏樹、夏川由美の殺害。あらかじめ貰った書類には二人暮らしで息子が二人、どちらも他界。年齢も死因も名前すらも不明。出生届が提出されていない。
「わりぃ、道せめぇわ。裏の通りによろしく。」
車を出してくれた同僚に声をかける。
「了解。」
あっさりとした返事をもらい、二体の死体をもって裏通りにでる。
「俺も連れていって欲しい。」
この瞬間、息をのむってのを初めて実感した。気配がないガキなんているわけないだろ。