98.金庫無双
ヘルムゾンビ。その名の通り、弱点である頭に防具をつけたゾンビである。噛みつけないだろ、と思って近づいたら普通に噛みつかれたあの理不尽は忘れられない!
そんな厄介な奴らが群れで襲ってきた。この場合、足を攻撃して機動力を奪うのがセオリーだが――。
「うおりゃぁぁ!」
グシャ!メキョ!ボンッ!
女性とは思えない雄々しい掛け声と共に、金庫を振り回す我が妹。一撃でバラバラになるゾンビたち。なんてスプラッターな光景だ。あ、今度は頭に叩き付けた。防具ごと粉々になってる!
金庫が壊れないか心配なので聞いたら、数百回程度じゃ壊れなさそうだとか。耐久力凄すぎないか?いや、振り回している妹がおかしいだけか。
「どっせぇぇぇい!」
回転しながらハンマー投げのように金庫を飛ばしやがった!ああ、ゾンビの集団が!?
「「「「アァァァ~!?」」」」
グシャグショグニャグシュ!!
すごい音と光景だ。そしてこれだけ使っても金庫には汚れひとつない……中身は無事なのか?
「ふぅ、振り回してよし、投げてよしとは。素晴らしい武器です!」
「決して武器ではないんだが……しかし、ここにもいないな」
死神に追われたプレイヤーはさらに先にいってしまったようだ。うまく隠れられなかったのだろう、かわいそうに……なすりつけを提案したの俺だけど。
「あのプレイヤーがやられてくれていたら、死神も消えているんだけど……」
「たぶん両者共に健在ですよ、勘ですけど」
「同感……」
なんだか気分が……いや、これは妹のゾンビ粉砕アクションのせいかも?




