91.消えながら下へ
ふう、少し錯乱してしまったな…………よし、落ち着いたぞ。
「というわけで、なるべく大きな音を立てずに移動しつつ、隠れながら進もう、透明人間よ」
「誰が透明人間ですか!あれは技ですよ、技!できれば気配ナントカ、のような名前でお願いします」
「なんなのそのこだわり!?暗殺者にでもなりたいのか?」
「兄さん限定ならありですね」
「未定にして!」
なんて恐ろしい奴だ、せっかく平常心を取り戻したのに!
あの見えなくなる技なら見つからずに行けるだろう。持続時間長そうだし。
「シュコォォー、シュコォォー……シュー」
その後、走っている死神に何度か出会ったが、そのたびにこちらには気づかずどこかへ行った。
透明化の技を検証しつつ、試しに他のモンスターと戦闘したら戦闘後一分くらいで現場に現れたので、戦闘も避けることにした。音に反応しているのだろうか?耳潰れているように見えるんだけど……。
宝箱やアイテムを回収しつつ下に向かう。窓から外を見ると、まだ中間くらいだろうか?長いなぁ……。
「しかし、その透明化、ずっと続けているけど疲れたりしないのか?」
「大丈夫です。攻撃を当てたり、受けたりすると何故か強制的に解除されてしまいますが……まだまだ検証が必要ですね」
「そうだな――ん?この音は……」
誰かが戦っているのか?プレイヤーと再び遭遇かぁ……何も起きなければいいけど。




