65.本契約
「トリック、今後は一般人の女性に無断でお触りはやめなさい。そのかわり兄さんと私には許可しますから」
「キュー♪」
「え?俺に触るわけ、っておい!?何やってんだトリック!お前どういう趣味してんの!?」
いきなり俺の体に触れてきたぞ!?女性だけじゃないのか!?
「やはり……あなたも兄さんの慌てふためく姿に愉悦を覚える者でしたか、同志よ!」
「キュー!」
「とんでもない動機で意気投合してる!?最近どこかで見たような……ちょ、そこはやめてくすぐったい!」
俺が悶えるシーンなんて需要ないだろ!?妹にしろ妹に!
「ハァ、ハァ……俺はともかく、お前はいいのか?あんなに嫌がっていたのに」
「よく考えたら犬や猫と触れ合っているようなものですし、禁止にするのはかわいそうかと。あ、兄さんはもちろん禁止ですから。破ったら千円以下の罰金です」
「安くないか!?もっと自分を大事にして!」
高ければいいというものでもないが……話を変えよう。
「本契約はどうするんだ?能力の理解や信頼関係も良好そうだが」
あんなに吹き飛ばされても戻ってきたのだから、トリックの好感度は高い筈。こんな短時間でここまで上がるとは……やはり体か?
条件が満たされていれば、使い魔からメッセージが送られてくるが――。
「『本契約を承認しますか?』――了承、と。能力は魅力的ですし、行動も懸命でしたからね。改めてよろしくお願いします、トリック。兄さんの監視は任せましたよ」
「キュキュキュー!!」
「いや拒否してくれよ!?」
まあ、どちらも嬉しそうだからいいか。本当に俺の監視なんてしないだろうし……しないよね?




