64.落ちた先には
「トリック……無事でしたか。いや私が飛ばしたんですけど……」
「キュキュ……」
お互いに気まずそうだ……何か話題を……。
「そういえば、護衛の男はどうなったんだ?一緒に飛ばされたけど」
「キュー、キュキュ!」
――何!?、飛ばされた先があの組織のボスの部屋だっただと!?そんなことがあるのか?
天井を突き破って落ちてきた男の下敷きになり、ボス行動不能、部下達は大騒ぎ。護衛の男も数秒意識を失っていたようで、勝利条件を達成できず敗北を悟ったそうだ。そういえば『一撃に耐える』だったな、すっかり忘れていた……。
部下達がやってきて裏切りを疑われた護衛の男は説明するものの信じてもらえず、そのまま戦闘に突入。本来の実力が出せれば勝てただろうが、吹き飛ばされた時のダメージが大きくて満足に戦えず、徐々に劣勢に。
これまでか、と思ったら壁をぶち破り鬼が現れて、敵を全員殲滅すると雄叫びをあげながら再び飛び出して行ったという。
状況から推測して町長に間違いないだろう……辿り着くのが速すぎるが……。
それから戻ってきて今に至る、ということか。結局、今回妹は誰も敵を倒さずにクエストをクリアした、ということか。これも高い運の影響なのだろうか?
組織の壊滅も順調なようで安心した。妹は……どうやら考えがまとまったようだ。後は任せよう。




