63.組織壊滅?
「……うっ、あれ、私は……」
「気が付きましたか。大丈夫、私はあなたの御父上から救助の依頼を受けた者です」
「父さんの……ハッ!そうだわ、私誘拐されて…………ん?ついさっきの出来事が思い出せない?何か恐ろしいことがあったような……」
どうやらショックで記憶が曖昧なようだ。こちらに怯えられても困るからこのまま思い出さないでほしいな……。
人質を巻き込まなかったのはいいが、目の前でいきなりあんな光景(人が吹き飛ぶ様子)を見せられたら意識を失ってもおかしくない。
「無理に思い出す必要はありません。それよりも速くここから逃げなければ!」
「そ、そうですね!よろしくお願いします!」
周囲を警戒しつつ妹が移動する。後をついていく人質。町長の屋敷まで距離があるが、おそらく大丈夫だろう。
予想通り、特に妨害もなく町長の屋敷に辿り着いた。
娘の無事な姿に感動した町長だったが、その後怒り爆発!上着が破裂して上半身裸になったら狂戦士のような顔になり飛び出して行ってしまった。あの組織、終わったな……。
一部始終を見た娘さんは安心して眠ってしまった。消耗していたのだろう。
追いかけても良かったのだが、その場で待つことわずか数分。
『クエストのベストエンドに到達しました』
というメッセージが流れた。ほとんど壊滅していたとはいえ、速いな……。
それにベストエンドか。これは珍しい。グッド以上だったとは!
「兄さん、ベストエンドとは?」
「色々な条件を満たしてそのクエストにおける最高の終わり方を迎えたってことだ。人質を恐怖で気絶させたのにベストとは思わなかった」
「あ、あれはトリックが――?そういえば、戻ってきませんね……いえ能力が惜しいだけで寂しいわけではありませんよ!?」
「なんだ、結構気に入っていたのか?あんなに触られていたのに」
「それは――」
「キュー……」
お、この声は……噂をすれば影、か。人じゃないけど。




