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6.初戦闘

 「ハアアアアアッ!!」 

 「な、何だこの手数の多さと威力は!?」


 妹が圧倒的な速度で自称熟練冒険者(NPC)に攻撃を加えている。相手もかなりの速さで得物の斧を振り回しているが、それを余裕で避けて反撃を加えている!気の力で速さがここまで変わるのか!?

 何故か素手だし。武器を使うよりも戦いやすいのだろうか?

 

 しかし敵の体力が全然減っているように見えない。速さだけでなく力にも驚いているようなので、気の効果が攻撃力にも影響を与えているのは間違いないと推測できるのだが…。


 「どれほどの攻撃であろうと、この世界に存在した時間が少なければ儂にダメージを与える事はできんぞ!!」

 「自分のスキルを明かした!?いえ偽りの情報でこちらを混乱させるつもりですね!」

 「そんな姑息な真似などせんわ!!」

 「……本当に人と話しているかのような感覚ですね…」

 「そこがこのトラエラインの特徴の一つだしな」

 町にいるNPCも本物の人間のようで違和感を感じないし、敵の中にも会話ができるタイプはこんな感じなのが多い。


 しかしプレイ時間の長さに影響されるスキルか。そんなのがあるのか?

 

 妹の攻撃は効かず、敵の攻撃は当たらない。そんな展開がしばらく続いていたが…。


 「斧では相性が悪いか…ならば!」

 「気をつけろ装備が短剣二本に変わった!行動パターンが変わるぞ!」

 「はい!」


 得物の斧を捨てて両手に短剣を装備した。さっきまでより明らかに速さが違う!妹は回避しかできなくなってしまった。攻撃を加えたからか一定時間が経過したからか、条件はわからないが変化があったということは順調であるということだろう。だが…。


 「くっ、避け切れない!だったら…」

 「もらったあああ!!何!?」


 遂に敵の攻撃が妹に当たって…いない!?目では見えない何かによって短剣が届いていないように見える!こんな事までできるのか!?


 「魔力による障壁?いや、魔力ではない?何なのだこの力は!?」

 「斧は無理でもこの武器なら止められる気がしました…せ、成功して良かった…」


 どうやらかなり危ない所だったらしい。妹にも余裕はなさそうだ。


 その後はお互いにまた効かず当たらずの展開が続いていたが、五分程して動きが起きた。


 

 


 「し、信じられん…これほど粘られるとは…」

 「さ、流石に疲れてきました…」

 「頑張れ、たぶんそろそろ決着だぞ!!」


 突然敵さんが距離をとった。攻撃はしていないので一定の時間が経過するとイベントが発生するパターンか!?強制終了で敗北決定ではありませんように!


 「新人よ、名前を聞いておこう」

 「え?マイと申しますが…」

 「マイよ!我が渾身の一撃、見事耐えきる事ができれば貴様の勝ちとしよう!どうだ!?」

 「いいでしょう、受けて立ちます!!」

 「即答しちゃった!?」


 耐えきるとは防がなければならないよな?回避したら負けになりそうな予感が…。


 「いい返事だ!ならば受けてみよ、我が魔法を!」

 「杖を装備した!?まさか最後に魔法とは…大丈夫か?」

 妹が魔法攻撃を受けるのはこれが初めてだ。どうなるんだ!?


 「やります。それに受けて立つと宣言した以上約束を違えるようなことはしたくありませんし、この気、いえ闘気なら魔法であろうと対抗できるような気がしています」

 (ただの気と呼んでいた力を闘気と呼び直した?)


 この戦闘で気の力について本能的な理解が進んだという事だろうか。

 そして敵の詠唱が終了した。


 「受けてみよ、我が火球を!!!」


 放たれたのはファイヤーボール系統の魔法だが、普通の大きさじゃない!相当威力高いぞこれは!


 魔法は妹に直撃して…いや受け止めている!?


 




 

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