54.潜入と発見?
「誘拐した連中はこの町のスラムを支配する犯罪者集団、マッドマッドだそうです」
「なんだか有名な横スクロールアクションを思い出す展開と名前だな」
スラムの改善に取り組んでいた町長をおとなしくさせるために今回の犯行に及んだわけか。ということは、囚われている場所はスラムのどこかか。
もう少し情報が欲しいが、後は直接行って集めるしかないな。
「キューキュー♪」
スラムまで移動した俺達は、近くの空き家に入るとそこからトリックに偵察を頼んだ。何か居場所の手掛かりが掴めるといいんだが……。
「兄さん、スラムなのに立派な建物がありますよ。あれが連中の拠点でしょうか」
「間違いないだろうな。あそこで情報収集するか」
「了解です。トリック、頼みますよ」
「キュー!」
トリックが敵拠点に近づいていく、だが途中で止まった。どうやら結界が存在しているようだ、それも複数。うーん、これ以上は進めないか?
「キュー………キュ!」
「えっ!?」
しばらく結界を見つめていたら、いきなり突っ込んだ!?思わず声が出てしまったぞ。
しかし、こちらの心配など無用だった。そのままいくつか存在していた結界を全てあっさり素通りしてしまった、素晴らしい!
「……簡単に通れましたね。今の結界はどんな効果をもっていたのでしょうか?」
「俺にもわからない、どうやらトリックは解析できたようだが。その上で問題なしと判断して進んでいったんだろう。すごい奴だよ」
空気のような認識しかされないのだろうか?戦闘力皆無だしな。
トリックの評価が上昇中だ。これはぜひ仮契約から本契約を目指したい所だ。
「お前がスキンシップを許してやれば簡単に本契約できるんじゃないか?」
「別に禁止にしているわけでは……それに兄さんじゃあるまいし、そんなことで服従するわけないじゃないですか、失礼ですよ」
「お前が一番失礼だよ!スキンシップを要求したことも服従した記憶もないぞ!」
幼い時から今までそんな事実は絶対にない!断言できる!
「キュキュー!」
その時、トリックから何か発見した合図があった。人質を見つけたのだろうか?




