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5.負け確定イベント?

 「まさか、このレアイベントに当たるとは思わなかったな」

 「レアイベント?この山賊みたいな人に絡まれる事がですか?」


 妹が困惑している。完全に新規プレイヤーに絡んでくるヤバイ奴にしか見えないもんな。


 「このイベント、【立てよ新人!その顔を忘れない!】の発生条件はソロで初めて町の外に出る事だけど、発生確率は相当低いらしい」

 「私はソロではないですけど…あっ、今兄さんは黒子だから認識されていないという事ですか?」

 「そういうこと。イベント進行中や戦闘中だと設定も変えられない」

 「なるほど、こういうふうになるわけですか」


 妹が納得したように頷いていると、イベントが進行していた。


 「有り金全部置いていくなら命だけは助けてやろう!」

 「とりあえず攻撃していいですか?」

 「まてまて、もう少し説明するから」


 早く戦ってみたい妹にこのイベントの説明をする。


 「ステータスの差がすごいからまず勝てない。そして負けると死亡はせずに所持金を全額奪われる」

 「最悪じゃないですか!お詫びにもらったお金もあるのに…」

 「まあまあ、このイベントには続きがあってな」


 いきなり所持金ゼロは痛いが、それをチャラにするイベントが後に発生する。


 「しばらくして特定の場所に行くと、【あの時のリベンジ!利子は十倍!】が発生する。ここで勝つと奪われたお金がなんと十倍になって戻ってくるのだ」

 「十倍ですか!?元手をそんなに増やせるなんて…あの見た目で実は商人?」

 「そこ気にするんだ…」


 確かに十倍はすごい。普通は倍くらいじゃなかろうか?


 「では、何もせずに負けた方が得なのですね」

 「戦って勝った話は聞いた事がないなぁ。町の外に出た直後に発生するからレベル上げができないし、他の人からアイテムや装備なんかもらっていると発生しないんじゃないかとも言われているし」

 「ようは負けイベントという事ですね。このドヤ顔を歪めてやりたかったです…」

 「お前そんな性格だったっけ?」


 相当に悔しそうだ。まあ普通のプレイヤーならばそうだろう。だが…。


 「丁度いい相手じゃないか?」

 「何がです?」

 「気の力がどれだけステータス差を覆す事ができるのか試せるぞ」

 「!確かに…」


 妹が俄然やる気になってきた。僕もどんな戦いになるのか楽しみだ。


 「抗うつもりか!?無駄な事を!熟練の冒険者の力を見るがいい!!」

 「えっ、山賊じゃなかったんですか!?あのセリフで!?」


 あ、人物説明忘れてた。


 確か一人で行動している迂闊な初心者プレイヤーに不器用な方法で立ちはだかる熟練冒険者、という設定だったかな。見た目は山賊の親分だけど。



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