48.悪戯好きな奴?
「参ったな、これ悪戯霊だ。お前がターゲットにされているぞ」
「え、どこですか?私には見えませんが」
「スキルか道具がないと見えないんだ。こんな所で出会うとは……」
これも運の影響だろうか。しかし場所が悪い、水上で遭遇するとは!体力が尽きる前に消えてくれるとは思うけど……。
「地上に戻ってこれるか?」
「――いえ、ダメですね。見えない壁のようなものが……これは結界?」
「やっぱり。しばらくすれば消えるはずだから、体力切れだけ気をつけろ!」
「消える?何がいるんですかきゃあっ!?」
始まったか。もう間違いないな、これは。倒すのは無理か?
「ど、どこ触って!!ハァ!トォ!デヤァァァ!……攻撃が全く当たらない!?近くにいるはずなのに!うわ、また触られた!?でもダメージはない?兄さん、これどうなっているんですか!?」
珍しく混乱しているようだ、無理もない。特殊な相手だからなぁ……。
「悪戯霊。どこで出現するのか、どうしたら出現するのか全くわかっていないレアモンスター。出現すると結界から出れなくなってプレイヤーに悪戯してしばらくしたら逃げる。姿は見えないし、通常攻撃は当たらない。何人か当てて倒した人もいるみたいだけど条件がわからないらしい。俺も見るのはこれで二回目だ。もちろん倒したことはないぞ。倒すとかなりいいものが貰える、かも?」
「闘気でもダメみたいです。漫画の霊力みたいにできたらヒャアッ!?ううっ、一方的にやられて逃げられてしまうなんて!それにさっきから攻撃箇所が、その……!」
「ああ、ほらゴブリンと同じ特殊行動設定らしいから。お持ち帰りされた話は聞かないけど」
「!ほう……」
な、何だ!?空気が変わった?今まで慌てふためいていたのに、突然真剣になった!
「これだけ痴漢しておきながら逃げるとは……そんな存在は兄さんだけで十分です!絶対に逃がしませんよ!」
「おい!とんでもない嘘を叫ぶんじゃない!お前にも誰にもそんなことするわけないだろうが!」
「相手を兄さんに置き換えることで、より怒りを高めているだけです!お気になさらず!」
「無茶言わないで!?」
やる気になったのはいいが、どうやって攻撃を当てるつもりだ?




