43.立っているのは
頭が潰れたのではないか、と錯覚するほど凄い音と衝撃が発生した。
天狗面二人のハイキック。それが妹の頭を挟む形で同時に直撃してしまった!
膝をつき、ゆっくりと倒れていく妹。あれをまともに受けたらもう…………。
そのまま倒れ―――。
ガシッ!
なかった!目の前の相手の両足首を掴んだぞ!そのまま半回転!?まだこんな力が残っていたとは!
「何!?しまっ」
完全に意表を突かれた天狗面は、掴まれた手を外すことができずにそのまま振られる。そしてもう一人の天狗面―――こちらも驚いて反応が遅れた―――に叩き付けられた。
ドガァ!!
「ぐはっ!」
「ッ!」
二人まとめて崩した!ここで決めてくれ!!
「…………」
おお、両手に闘気が……ん?あいつ意識ないのか!?無意識で動いている!?そんな馬鹿な!
こちらの心配を余所に、両手に集めた闘気で特大の気弾を放った。あっ、そのままうつ伏せに倒れてしまった!しかしこれなら二人まとめて倒せるのでは!?
「!やれ!」
「!!」
バキィ!
何!?一人がもう一人を前に蹴り出した!?まさか―――
後ろにいた天狗面が前にいたもう一人を気弾に向けて蹴り飛ばす。当然仲間割れでも裏切りでもない。
「【自爆術・滅私】―――」
ドオオオオオオオオン!!
自爆した!自らの命と引き換えに放つ術か、すごい威力だ。気弾が吹き飛んでしまった……。妹は無事か!?
「…………」
うつ伏せに倒れたままだ!まだ気絶しているのか!?まずい、相手は絶対に―――。
「―――十秒経過……やっぱりブラフか。やられたわ」
ボロボロになりながらも健在の天狗面が、妹の傍に立っていた。




