36.試練の続き
海岸から近くの川沿いを上流に進む。そろそろか?
『川の試練を開始します。ターゲットを時間内に一定数倒してください』
これも情報通りだな、しかしこの激流は……。
「……兄さん、突然この辺りだけ川の勢いが激しくなったんですけど」
「そういう設定なんだろうな。大雨が降った後みたいだ」
「こういう所はゲームらしいですね」
水の量は多いし土で汚れて川の中は見えないし。これで倒せとは難易度高すぎだろう……。
「では二枚目を使います。―――川よ、凍れ!」
カキンッ!!
「おおっ!一瞬で凍ったぞ」
「本当に凄いですね、使うのが惜しくなってきました」
「全ての敵を倒せ~とか、最強の装備が欲しい~とかみたいにできない願い事を口にすると何も起きずに失われてしまうから扱いは慎重にしないといけないが、うまく使えば抜群の効果だ。今回のように地形に干渉したい時や身を守る時に使うのが最適だから、思い切って使ってしまおう」
「そうですね。使わずにいたら存在を忘れてそのまま埋もれてしまうでしょうから」
RPGあるあるだな。闇雲に使うのも良くはないが。
『川の試練をクリアしました。湖の試練に進んでください』
そういえば、倒す対象を一度も見ることなくクリアしてしまった……つ、次に行くか。
川沿いをさらに上流に進むと、大きな湖に出た。ここが試練の場所に違いない。
『湖の試練を開始します。水切りで規定回数をクリアしてください』
水切りとは、回転をかけた石を投げて水面で石を跳ねさせることである。跳ねさせる回数を競ったりもする。
昔横にいた人から石が飛んできて危なかったなぁ。やる時は周りに注意しよう。
「……情報通りなんですけど、実際耳にしても信じがたい内容ですね……」
「複数の試練が続く場合、ひとつは簡単なものが混じっているという話を聞いたが、こういうことか」
「簡単ですか?人によっては難しいような……私も十年以上やっていませんし」
不安そうだが、二、三回でクリアできると思うぞ。この前モンスターに石投げていたからな。石の回数制限や時間制限もないし。
「では試しに―――ハッ!!」
「一、二、三…………よし、クリアだ!」
「あ、あれ?」
一回でクリアしてしまった。本人が一番驚いているな。
次で最後だが、情報はここまでだ。なんとかクリアしたいな。




