25.問答無用!?
休憩を終えた俺達は少し先に進んで、ボスの出現エリア前まできた。
他のプレイヤーはいないな、すぐに戦えそうだ。
「ここのボスは天狗だ。説明はやっぱり不要か?」
「はい、それに途中で戦った黒い怪鳥よりは弱いんですよね?」
「ダークグリフォンな。まああれよりはステータスは弱いかな。最後以外は」
「ここも連戦ということですか。また最後までクリアしたいですね!挑戦者は遠慮したいですけど……」
本当に嫌そうだ。ギリギリだったからなぁ……。
噂では入り口から頂上まで何回か往復することが条件のひとつらしいから今回はきっと大丈夫だろう。
「ここは出現する順番は決まっているけど勝つと強制的に連戦になるから。最後だけ直前に選択肢が出るけど」
「了解です。では―――行きます!」
ボス戦開始。最初の相手は少年天狗だ。
「ワッハッハ、我は――」
「フンッ!!」」
ボンッ!!
「うわあぁぁ!?気弾で頭を一撃!ヘッドショットかよ!?しゃべっている途中だったのに!」
「態度が無駄に大きかったので、何だか不快な言動をするという予感を信じて先制攻撃しました。きれいに頭だけ消滅しましたね。狙い通りです」
「た、確かにそういうキャラではあったけども……まだ小さいし……」
少年天狗…まだ若い天狗で文字通り天狗になっていて態度がでかい。攻撃は激しいが打たれ弱い。
今はもう動かない。これは即死……。
勝つとは思っていたが、一瞬で終わってしまった。幼い見た目だからこのやられかたは……あ、消滅した。南無……。
次の相手が出現したぞ。青年天狗だ!慎重な動きで隙が少ないのが特徴で―――
「私は簡単に―――」
「ハアァ!【足切り】!」
スパンッ!!
「今度は首がぁぁ!?これで連続だぞ!残虐行為で警告来ないだろうな!?」
敵の強さより妹の戦い方が不安になる!うわ、飛んでる頭と目が合っちゃった!何が起きたのかわからないって顔しているぞ!
「これくらいで来ないですよ。無駄に痛めつけているわけでもなく、死体蹴りをしているわけでもありませんし」
「い、言われてみれば……いきなり予想外の倒し方を見て動揺してしまった。すまん……」
俺が取り乱してどうする!冷静になろう……。
「いえ、確かに効率を重視するあまり見た目を意識していませんでした……次の相手は注意します」
「いや、気にせず好きなように戦ってくれ。よく考えたらこの前のファーレイン戦よりはずっと健全だった」
「……あれは忘れて欲しいですね……あ、出現しました」
次は壮年天狗か。そろそろ一撃では勝てないだろう……数回で倒しそうだけど……。
いきなり空中に飛んだ。そこから遠距離攻撃が――
「受けてみ――」
「特大気弾!」
「で、でかい!?これはあの時の!」
ドォォォォン!!
ファーレインに放ったけど届かなかったあの気弾か!今度は直撃だ!妹の遠距離攻撃が先に決まった。
「どうなった!?………消滅しちゃった………」
「これぞ倫理の極み、安心の表現です」
「跡形も残さず倒すことが倫理!?」
……出血などの残虐な表現よりはいいのか?倫理とは一体……。
「しかし、話しているボスへの先制攻撃は有効ですね。兄さんのやり方を真似しただけですけど」
「俺の真似!?俺がいつこんな無慈悲なプレイをしたと!?」
原因は俺だった!?いったい何のことだ?
「昔のアクションゲームで【都心ヒートブラッドストーリー】とかそれの江戸バージョンとかでボスが出てきて文章流れているのに速攻で攻撃していたじゃありませんか」
「よ、よく覚えているな?あれは一度見たからだよ。話長いからな」
一度目はしっかり見ましたとも。次のボスの出現ヒントとか出てたから慌ててメモしたなぁ、懐かしい……。
「そのままダウンさせ続けて倒してましたよね。効率を重視した冷酷なプレイ……忘れられません」
「冷酷って……お前も一緒にプレイして笑いながらボコボコにしていたよな?しかも挟み撃ちにして」
「な、何のことでしょう?おっと、選択肢が出ましたよ!これで最後ですね!やはり別格の強さなんでしょうか?」
露骨に話を変えてきたな。まあいいけど……。
最後はランダムだけど、誰が来ても勝てるだろう。




