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妹をVRMMOに誘ったら、目が離せなくなりました!  作者: 興静


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21/188

21.釣りの思い出

 目的の場所まで来た妹は周りのモンスターを瞬殺、すぐに釣りを始めた。


 ――――10分後


 「フィ――シュ!やりましたよ~!」

 「凄いテンションだな……今度から太公望と呼んでやろう」

 「残念ながら私にはそう呼ばれる資格はありません。それは人生を釣りに捧げている人にこそふさわしい称号です」

 「……釣りが好きなら十分では?」


 な、何なんだそのこだわりは……釣りバカならわかるけど。


 「あっという間に依頼達成……ここは釣り堀ですか?」

 「釣れないよりはいいだろう。結構楽しんでいるじゃないか」

 「まあ、現実ではもう10年以上やっていませんからね、久しぶりなのでつい……」


 ニジマス4匹にヤマメとイワナが2匹ずつ。依頼はニジマス2匹とヤマメ2匹なのでクリアだ。

 妹のニコニコ――いやこれはニヤニヤと言うべきだな――顔が珍しい。


 「難易度低い場所だし道具も高品質ならこんなもんだよ、もう行くか?」

 「……いえ、もう少し。主がいるかもしれません」

 「そんな大物はいないと思うぞ…まあ、時間はあるから粘ってみるか」


 しかし、釣りか……現実で最後に行ったのはいつだったか……。

 そういえば昔――――


 「……こうしていると、昔家族で釣りに行った時のことを思い出しますね」

 「……俺も思い出した。お前がカラスに釣りの餌盗られた時だろう?」

 「違いますよ!?兄さんが釣った魚をカラスに食われた時の話ですよ!」

 「グワァァ!?忘れていたトラウマが~!?何てこと思い出させるんだお前は!」

 「こっちのセリフですよ!ああ、あの時のカラスの聞いたことがない馬鹿にした鳴き声!!はっきり思い出しちゃったじゃないですか!」

 「やめてくれ!しばらく夢にまで見るほど悔しかったんだぞ!!」

 「う~、今夜絶対に夢に出そう!」


 2人揃って悶絶する。何をやっているんだ俺達は……。


 「お前の時は海だったな……怒りでカラスを追いかけようとするお前を止めるのが大変だった……」

 「兄さんの時は山でしたね……口から魂が抜けていく人なんて初めて見ました……」

 「……」

 「……」

 「止めよう……なんか不毛だ」

 「同感です……」


 2人揃って項垂れる。本当に何をやっているんだ……。


 


 ――――20分後

 

 「あれから釣れなくなりましたね……もういないのでしょうか?」

 「………いや、最後に大物が来たみたいだぞ!」

 「あっ!?こ、この引き具合は!?凄い力です!」

 「頑張れ、逃がすなよ~!これは何が釣れるんだ!?」


 引きの強さに期待が高まる!本当に主でもいるのか!?


 「くっ、手強い……こうなったら!秘技、一本釣り投げ!」

 「力任せに引っ張っただけでは!?」


 大きな魚が空中に舞い上がる!力入れ過ぎだろ、飛び過ぎて……!?


 バクン!


 「えっ!?」

 「はぁ!?」


 バッサバッサバッサ!

 いつの間にか上空に居た巨大な鳥モンスターが丸のみした!何ということだ!!


 「ああっ、私の獲物が!?よくも!!」

 「仮想世界でもこんな悲劇が起こるなんて……」


 妹は怒り心頭だ!トラウマを刺激される光景だが、冷静にならなくては。

 あれはグリフォン、しかもブラックタイプか。こんな所で遭遇するとは……。


 「まあ落ち着け。気持ちはよくわかるが闇雲に戦っても勝てんぞ」

 「………ふぅ、そうですね。明らかにここのモンスターの平均レベルを大きく超えていそうなんですけど……」

 「飛行系アクティブモンスターだな。他にはワイバーンやコカトリスなど、平原で出現する場合が多いんだが、こういう山エリアでも稀にある。アイテムを使っておびき寄せるということもできるんだが、今回はどうなんだろう……運の数値が高いから出てきたのか?」

 「こ、これが幸運!?不運の間違いですよ……ううっ」


 逃がした魚は大きいとはこのことか……

 

 「……こうなったら、過去の怒りもまとめてぶつけてやりますよ!そして私の獲物を強奪したこと、後悔させてやりましょう!」

 「そ、そうか……闇魔法を回避しつつ、遠距離攻撃で削ってやれ。攻撃は効きにくいだろうから長期戦になるぞ」

 「了解です!うおおおおお!!」


 す、すごい気迫だ……半分八つ当たりだけど……。

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