表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹をVRMMOに誘ったら、目が離せなくなりました!  作者: 興静


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/188

12.妹とエルフ

 挑戦者とは、戦闘エリアなどで条件を満たすと出現する特殊な敵である。倒すと多くの経験値や金はもちろん、レアアイテムや貴重な素材、強力な装備に様々な情報、オリジナル魔法や固有スキルを得ることもある。

 当然強い。レベルが低い相手には基本ステータスで戦闘となり、レベルが高い相手にはそれに合わせて調整が入る。つまりレベル上げによる有利がとれない。行動パターンは複雑で戦闘場所も敵が有利な地形になる。そして逃げられない。


 だが一番の問題は勝とうが負けようが一度しか戦えないという事だ!

 

 例えばパーティの中に一人でも対戦経験のある人がいれば出現することはない。戦うには一度もその敵と戦った事のないメンバーだけで挑む必要がある。

 倒したら出現しなくなるというのはまだわかる、しかし負けても戦えなくなるというのはどういう事だ!?ソロプレイヤーにはかなり厳しいぞ!


 もし戦うとしたら、情報を集め必要なアイテムと有利な装備を用意して上手なプレイヤーに協力を求めて現実からの呼び出しがないよう調整してから挑むような相手だ。 

 故に、間違って遭遇するような事は避けたかったのだが………。




 「遭遇してしまった、というわけですか……チャンスですね!これは絶対に勝たなければ!!」

 「そういう前向きな所は本当に尊敬するよ………まあ、最初から諦めるよりはずっといいけどな!」

 

 説明を聞いた妹は嫌がるどころかやる気に満ちているようだ。強敵や困難を前にすると燃えるタイプだからなぁ……。俺も見習いますか!


 「しかしこのような誰でも来れる場所なら多くのプレイヤーが通過していますよね?誰もこの挑戦者を見つけられなかったのでしょうか?」

 「そのようだ。余程難しい条件なのかもしくは情報が公開されていないかだけど……このエリアは初心者エリアだから多くのプレイヤーが捜索、検証したんだが見つからなくてな。いないという説が有力だったんだが……長くは調べないからなぁ……」


 他のエリアであれば見つからなくても素材やアイテム、経験値や金稼ぎになったりするんだろうがここでは大して手に入らない。確証もない上に何も見つからないと時間の無駄になるので早々に調査を打ち切ってもおかしくはない。それも発見されなかった理由ではないだろうか。

 しかしどういう条件なんだ?会話のできる相手なら話の中にヒントや答えがあるはずだが……。

 出現した挑戦者を観察する。


 見た目は間違いなく女性のエルフ、しかも美女。目を閉じて動かないが容姿は妹と同じくらいの年齢か、やや上。今の武器は剣だけ…いやあれ魔剣か!?だが間違いなく武器は複数持っているだろう。動きやすさを重視した服装だから杖ではなくおそらく弓。魔法タイプではないけどエルフという種族の特性上魔法は確実に使ってくると考えられる。マジックハンターと魔法剣士か?アクセサリー系の装備は……ないのか!?あの服装備がそれだけ凄いってことか!?

 身長は……これも妹と同じくらいか。鍛えられていて柔らかさと強靭さを兼ね備えた、無駄な肉のない素晴らしいスタイルだ…………どの部分を無駄というかは人それぞれだけど……。


 「兄さん……ジロジロ見過ぎではないですか?」


 妹の視線が鋭い!まるで現行犯を見るような……誤解を解かなければ!!


 「ち、違うぞ!?何の情報もない初見の強敵相手に観察は基本だから!決してやましい事は…」

 「町を出た時に遭遇した山賊さんにはそこまで熱い視線を送っていませんでしたが?」


 熟練冒険者さんだから!?むさい男だったから見なかった訳じゃないぞ!?


 「あれは負けても問題ない相手だったからだ!挑戦者は一度きり!重要度が全然違うんだよ!!だから……」

 「危険なレベルのおぞましい視線を感知しました、運営に報告します」

 「いきなり喋り出したと思ったらとんでもない事言い出したぞこのエルフ!?マ、マイさん?そんな目を家族に向けちゃ駄目ですよ!?こら、嘘つくな!視線だけで通報されてたまるか!!」

 「おぞましい視線については否定しないんですね、兄さん……」

 「言葉や視線だけなら何をしても問題ではないと?悲しいです……」

 「何でそんなに息ピッタリなの君達!?」


 な、なんなんだこのエルフは……本当にNPCか!?


 「冗談です。このままだと丸裸にされてしまいそうだったのでつい口を出してしまいました……申し訳ありません」

 「ま、丸裸!?止めて下さい兄さん!私が身代わりになりますからこの娘は助けてあげてください!」

 「冤罪だ!!俺が何すると思ってんだ!?比喩的な意味だってわかるだろう!?そこの腹黒エルフ!お前絶対にわかっててそんな言い方しただろう!?」


 殊勝に頭を下げているが俺は騙されんぞ!?笑いを堪えて震えているだけだこいつ!

 

 「酷い……お腹を見せて潔白を証明しろだなんて……グスッ、こ、これでいいですか?…フフッ」

 「一言も言ってないだろう!?音声認識能力が絶対におかしい!」

 「に、兄さんが女性に服を……その上に追い詰めて泣かせるなんて……自首しましょう兄さん……私面会に行きませんから…ククッ」

 「勝手に見せてきただけだろうが、綺麗だったけど!っていうか来ないのかよ!?じゃなくて!マイ、あいつ見てみろ!笑い堪え切れずに泣いているだけだから!い、いや、よく見たらお前も笑い堪えてんじゃねえか!?」


 さ、叫び過ぎて疲れてきた………なんでこんなに連携がとれてるの!?とんでもない奴だ!戦いもせずに妹を味方にして俺に精神攻撃を仕掛けてくるなんて!仲間割れを起こさせるつもりだったのか!?

 恐るべし挑戦者!!






 あれ………俺、黒子設定解除してないよな?



 


 




 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ