0022 鍛冶の村へいこう
農民達に一通りの事は教えれたので、次の段階に移行する。
「銃の生産に移りたい」
農民達に次の段階の説明を開始する。
完成品があるから説明はし易い。しかもこの銃は低い技術力でも生産が可能な構造。そして何より、俺はこの世界に来る前に銃の生産を携わっていたので設計図も含めた生産方法は暗記している。
「かしこまりました。しかし、どうやるのですか? この農村には鍛冶の設備は在りません」
問題点は、この農村には鍛冶が出来る人は誰もいないし設備も無い。領主によってこの農村は農業による食料生産に特化されていたので、農民達は農業以外技術を知らない。農具の生産すらやったことが無い。
時間さえあればこの状態からでも設備を作り、鍛冶をやったことが無い農民達でも生産できるようにすることは可能。しかし、それまでに領主に革命を知られて討伐軍を差し向けられたり隣国が攻めて来たらそれで終わりだ。
なので次は鍛冶技術がある人を領主の支配から解放しよう。
「この農村で使っている農具はどこで作られている?」
「山の上にある鍛冶の村です」
農民が指差す方向を見る。目を凝らすと僅かだが家屋を見える。周囲の木々が切り倒されており、山肌には人が入れそうな穴が開いている。おそらく鉱山と一体になっているのだろう。
「それじゃあ早速行こう」
「それでしたら、ドワーフにお気を付けください」
ドワーフか。ファンタジー作品に出てくる種族として聞いたことがある。山に住んでいて屈強な肉体を持ち武器は斧を振るう。鍛冶が得意で職人気質で頑固な性格とか。
「斧を武器として好む頑固なドワーフに銃を勧めるのは難しいかもしれない。あの鍛冶村のドワーフにどうやって説得しようか」
領主の支配から解放されるだけでは交渉材料として足りないかもれない。
「確かに以前は鍛冶村でドワーフが鍛冶師として働いておりました。しかし数年前に追放されて今は人間が鍛冶をしています」
鍛冶技術に優れたドワーフが追放された!? 戦乱の世に武器職人は必須のはず。
「出て行ったではなく追放されたって一体何があったんだ」
「どうして追放されたかは分かりません。彼らが作った農具に欠点は見当たりませんし、最後に鍛冶村で会った時は鍛冶村で働き続けることを望んでいました」
農民が農具を見ながら哀愁の念を向けている。
「村に居ないのに気を付けてとは」
「ドワーフ達は他国で働くことができなかったので、鍛冶村を取り戻そうと攻めて来ることが時折あります。今では頻度が減ったようですが、念のためお気を付けください」
ドワーフと鍛冶村では単なる支配以上の問題が起きてる。理由は分からないが、彼らを救済しなければならない。




