0002 はじまり★
数分考え込んだが、何が起きたかわからない。何故自分が女になったのか、理由は検討もつかない。
「考えてもしかたない」
これ以上ここで悩んでも何もわかりないだろう。この問題は一旦は保留とする。
先延ばしとはいえ決断をし、さらに時間経過により、衝撃的な事実による動揺から精神が回復する。
ふと、緩めたジャージのチャックの隙間から見える胸に思わず凝視してしまった。こぶりとはいえ童貞にこの刺激は大きすぎる。
「状況確認のためだ。仕方ない」
そう言い訳して恐る恐る手を伸ばそうとすると、自身の手が女の子の手にしてはやけに大きいと思った。
改めて服と自分の体を見る。
自分の視点のみで手だけを見れば、可愛らしい見た目と不釣合いに大きい。しかし、腕を覆うジャージの袖と相対的に比べれば、少女の手であることを差引しても小さい。そういう風に見えるそれほどまでに自分は小さくなっていると思い知った。
「もしかして、少女どころか幼女?」
人が居るかすらわからない森の中で幼女が一人。自衛は可能か不安になる。
足元に落ちている愛用の銃を持とうとする。ほんの少時間前までは片手で軽々扱えたのに、今では両手でも重い。持ち運びと狙撃はなんとか可能そうだが、走ることは不可能。
ならどうすべきか。
周囲を取り囲む森林の一部だけ、木が生えていない箇所がある。もしかしたら道があるかもしれない。
他に目印となる物がないので、とりあえずその方面から探索することにした。




