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0011 奴隷根性を打ち砕け
農民親娘が住む家に入り、親をなんとか寝具に寝かせることができた。彼は痛みにうなされながら、たどたどしく話していたが、要約するとこうだ。
"逆らったからこんな目に遭った。もう二度とやらないように気を付ける"
奴隷根性に基づく発想だ。支配者に逆らうのに失敗したのを後悔するのではなく、逆らうことそのものに後悔する。強者に支配される労働者階級の中では「支配者に対する盲目の服従」が一大道徳律になる。
その気持ちも理解できる。さっきは俺だって服従しかけた。そして、その原因も分かっている。人数と武力で負けていたからだ。
弾丸の残数を確認する。これさえあればこの農村にいる水車小屋主とその私兵だけであれば、俺だけでも倒せる。しかしそれでは俺が社会主義による平等を唱えても、農民にとっては支配者が変わっただけとしか認識しないだろう。根本的な意識改革の為に一段階工夫が必要だが、その方法は既に思いついた。




