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現実(リアル)が辛すぎて家出したら魔法使いの弟子になりました。  作者: 月影 夢美音
妖精界 幻想の住処
9/10

導かれた幻想世界

なんか怪我しまくったり、声のお仕事が入ったりでなかなか書けず大変遅くなりましたが、ここから二章突入です!

短めですが、区切りのためですご了承下さい。

第8話 導かれた幻想世界、お読みください。

 反射で目を瞑ってしまったが、恐る恐る開けてみると目の前に広がっている世界に釘付けになるほどの、それはそれは美しい樹林がそこにはあった。

樹木の小枝で色とりどりの小鳥たちが可愛らしく鳴き、その近くで兎や栗鼠の小動物が木の実を頬張っていたり、まさにのどかで平和な世界。


「な、にこれ…。ここ、本当にさっきの場所……?」


 それとも、本当にこの世じゃない世界にでも来てしまった…?


 そういえば、一緒に来ていたあの三匹の化け物たちの姿が見えない。

それだけじゃなく、あれだけたくさんいた化け物たちが嘘のように全く姿がない。


 一体、ここはどこで、どうしてここに連れて来られたの…??

不安と疑問で胸がいっぱいになっていく。


「だ、誰か居ますか……!!!」


 勇気を出して叫んでみたが、虚しくも空に響いていっただけだった。

ここで立ち尽くしても仕方ないので歩いて何かを、誰かを探すしかない。


 どこまでも真っ直ぐに伸びている小道をひたすらに歩き続ける。


ずっと同じ風景が続いて、本当に進んでいるかどうか分からないぐらいだった。


そのせいなのか、疲れたからなのか、弱音や本音が心の中で渦巻いていく。


 ここはどこ?ここに何があるというのだろう?化け物たちは?あの化け物たちに下手について行かなければよかった?

もしかしたら…誰もいない、こんな知らない場所で死ぬかもしれない…?


悪い方向にばかり思考が働く。


 ……違う。私は生きるために今ここにいる。歩いている。息をしている。

理沙との約束を守るために。

ここで何かあったとしても生きる希望は捨てちゃダメだ。


「私は!!生きていたいっ……!!!」


 初めて口に出したその強い思いは、同じ風景の幻想を一瞬で吹き飛ばした。


 樹林なのは変わりないが、化け物がそこら辺にたくさんいて、数メートル先にぽつんと煙突から煙の出ている洋風の一軒家が建っていた。


 分かりやすい‘‘家‘’という、しかも‘’煙の出ている‘’、誰か人間がいるかもしれないという強い希望でいっぱいになって、ボロボロのローファーを脱ぎ捨て必死に走った。


 そうして、ようやく木造の神秘的な雰囲気のする家の前まで来てドアを荒々しく叩いた。


「すみません!助けてください!!お願いしますっ…!!」


 すると、ギィ…と、ゆっくり扉が開いて中から中性的な人が出てきた。


 金髪でロングなその髪は、右側に緩めの三つ編みで結ばれていて、全てを知っていそうな吸い込まれる程深いエメラルド色の瞳。170cmは裕に超えている身長。恐らく男性だと思うけど、女性と疑うほどの美しさだった。


 そして私を見て一瞬驚いた顔をしたが、すぐに穏やかに笑ってこう言った。











「やぁ、ようこそ望月華淋ちゃん」


 その人は何故か私の名前を知っていて、


「君がここに来ることを僕は知っていたんだ」


 事の経緯を全て知っているような口振りで、


「これは運命なんだ。僕の弟子にならないか?」


 訳の分からない事を自信気に話してくる、変な人だった。


 言ってる事が謎すぎて、必死さを忘れて冷静になっていた。


 そして私の頭の中で、ある疑惑が浮かんできた。


「は……?あの、ごめんなさい。あなたが誰かも、言ってることも分からないんですけど。……ストーカーですか?」


「な…!ストーカーとは酷いなぁ。占ってただけなのに……ちょっと凹む」


 変な人はシュンとして俯く。


 その瞬間、視界が揺らいで意識が朦朧として倒れてしまった。


 遠くで色んな人の声がしたような気もするけど、重力にも逆らうことが出来ないくらいに体は限界を超えていたようだった。


 変な人は私に何かを囁いていたけど聞き取れず、優しく抱きかかえられたところで意識はプツンと途切れてしまった。














「よく頑張って生きてここまで来られたね。ゆっくりおやすみ」

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