表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/38

13.魔力スキャン。

前回の出来事: 巨大ロボットの操縦席(コックピット)に閉じ込められた。

「え? 私、開じこめられてしまいましたの――――?」


「***** ***********」

「えっ、えっ、何ですの?」


 閉じ込められたことで軽くパニックに陥っているところに、突然何者かに未知なる言語で話しかけられてしまい、より焦ってしまうアリエス。


 それは、巨大ロボットから出ている自動音声の様だが、アリエスにとって初めての言語だった。



「%%%%% %%%%%%%%%%%」

「あっ、全然、分からないですわっ」


 先ほどとは違う言語のようだが、これも理解不能だ。

 こういう時、転生者(前世持ち)であるのに、『言語理解』のスキル(チート)持ちでない自分を恨んでしまう。



「#%V+&A% $%B&N%#&X$%Y#」

「すみません、ごめんなさい、分かりませんっっ」


 だんだんと申し訳なくなってくるアリエス。



座席(シート)ニ着席シテ、搭乗者ノ認証ヲ行ナッテクダサイ」

「あっ、分かりました。『座席(シート)に着席して認証』すれば良いのですね」



 どうやら、こちらの理解できる言葉を探っていたようだ。



(それにしても、『宇宙標準語』から調べればいいですのに。――というか、私の返事から、分からなかったのでしょうか……?)



 アリエスは高性能な様でポンコツ感のある自動音声の人工知能(AI)に少し不満を覚えながらも、『認証』の為に操縦者(パイロット)用のシートに腰掛ける。


 少し(めく)れかけたスカートから(のぞ)()き出しの大腿部(だいたいぶ)、腰の下辺り、背中全体、肘掛けに這わした両腕などから感じる、高級感のあるスルリとした感触。

 何ともいえない、少し冷たくて、少し温かい感触。

 ツルっとして、サラっとしている、体温の低い生物に腰掛けている様な、とても不思議な感覚。


 アリエスの扁桃体(へんとうたい)――大脳の内側にある「快」「不快」を感じる部分――脳の一部分が、この座席を「とても座り心地がよい高級シート」と無意識的に認識していく。



(この感触、とても良いですわ。この座席にも、とてもお金が掛かっているのでしょうね……)



 気持ちが高揚した事で、また自然と頬を染めるアリエス。




「――ところで、認証とは、どうすればよいのでしょうか?」



「搭乗者登録ガ行ナワレテイルカ、魔力スキャンヲ行ナイマス」

「なるほど」



 魔力を伴った走査線がアリエスの体の上を走る。

 吸血鬼(ヴァンパイア)族の体が特別に魔力に敏感なのだろうか。



「く、くふふ、……く、くすぐったいですわ」


 くすぐったさをアリエスが訴えるが、魔力スキャンの走査線は、なぜかより一層、より満遍なく、あたかも撫で回すかのように、より丹念に、激しさを増して行われていく。


「ひゃっ、……はぁっ……」







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なんと、当作品の主役「吸血伯爵令嬢アリエス」がイラスト化! 秋の桜子さん、超絶ありがとうございます!(><*)
アリエス令嬢
▲イラスト制作秋の桜子さん(カスタムキャスト使用だそうです♪)


↓当作品と同じ世界観の最新短編作品『異世界×宇宙モノ』↓
宇宙魔女博士見習いのぼくは奇妙な形の木造船で宇宙の中心に逝ってきます。
応援バナナ

△画像制作:塩谷文庫歌さん

応援バナナ
▲バナー制作秋の桜子さん

↓『恋愛×高校×テロリスト』↓
逃げ足以外は平均より劣る主人公が男を魅せる恋愛アクション短編(の予定)。
白インバナー
▲イラスト作者→管澤捻さん、バナー加工→自分

応援バナナ
△バナー制作秋の桜子さん

応援バナナ
△バナー制作塩谷文庫歌さん

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[一言] いろいろありますが、物語は動き始めましたね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ