1.漂う二人。
「私としたことが……」
アリエスは巨大ロボットのコックピットに、一糸纏わぬ美しい裸を晒し、自分自身を抱き締めて座っていた。
――否、下着だけは着用を許されていた。
この意思を持つ巨大ロボット『ドラグヌフ』に白い絹の下着だけは着用を許された為、下着のみ着用だ。
これは巨大ロボットのお情けであっただろうか?
――否、それは否定される。
これは、完全な巨大ロボットの『性癖』であった。
この変態ロボットは、完全な裸よりも下着姿が単純にエロいと考えているのだ。
それも宇宙では貴重な生き物由来の布……。
完全な裸の方が『接続度』が上がるのにも関わらず、巨大ロボットは自分の『性癖』を取ったのだった。
しかし、この事実はアリエスは知らされていないことだった。
辛うじて下着姿を許されたことで、巨大ロボットに感謝の念さえ覚えていた。
「何でこんな目に……」
アリエスと巨大ロボットは当てもなく宇宙空間を漂っているところである。
完全な宇宙迷子だ。
暫くは巨大ロボットに備えられている生命維持装置で持つだろうが、その後はどうなるのだろうか。
苦しんで死ぬのなら早めに自害すべきだろうか……。
「心配スルコトハナイ。食事、排泄、必要ニナッタラ言ッテクレ。全テ我ニ任カセテクレ」
『排泄』という単語に、アリエスはブルリと震えた。
いつまで『おしっこ』をガマンできるだろうか。
いつまでもは不可能だ。
人の言葉を理解する、超古代宇宙帝国が生み出した巨大ロボットに下のお世話になる時はもう直ぐかも知れない。
心なしか、巨大ロボットの声が明るく弾んでいるように聞こえるのは気のせいだろうか――。
アリエスは悔しげに下唇を噛んだ。
アリエスは、どうしてこうなったのかと、これまでの出来事を思い返す――――