学校の現代文で「ラブレターを書こう」というテーマの授業があったので書いたら先生にピックアップされ朗読&解説までされた
家族や恋人といった大切な人にラブレターを書こうという授業があったので書きました。
嬉しいことに授業中先生の目に留まり、みんなの前で先生に朗読兼解説されたので投稿してみました笑
初めて君と出会ったのは冷たい冬の、深深と雪が降り積もる神社の境内だった。
肩まで伸びる茶色の髪は雪の水気のおかげか艶やかで美しく、僕は視線を奪われてずっとその後ろ姿を眺めてしまった。参拝が終わったのか君は合わせた手をほどいてゆっくりと振り返り、瞬間僕と君は視線を合わせた。君は地元の人の神社で自分以外にも参拝者がいたことに驚いたのか、くっきりとした愛らしい大きな目を少し見開いて、会釈をして僕の隣を通り過ぎていく。すれ違った後も僕は去っていく君の後姿をずっと眺めてしまった。
再会したのは地元の学校を卒業して都会の学園に入学した時だった。自己紹介の時、すぐに僕はあの時の君だと分かった。君は慣れない都会の言葉を使って一生懸命話すけど、方言が出そうになって思わず舌を噛んで、みんなに笑われ顔を真っ赤に染めて恥ずかしそうに座った。僕も一緒になって笑いながらも、恥ずかしがる君のことをずっと眺めてしまった。正直僕は君に恋したのだ。僕は生徒会の手伝いに参加し、またクラス委員として活動して色々な人と出会ったが、ずっと君から目が離せなかった。君は図書委員になって図書館でよく本を整理したり空いた時間をカウンターで読書したりしていた。僕は生徒会活動での資料集めなどを理由に君に会って話をした、話すたびにコロコロと表情を変える君に僕はますます恋をした。
でも、僕と君との恋は実らなかった。僕がどれだけ君が好きで、どれだけの選択を経ても僕と君が結ばれることが無かった。君は僕を友人として受け入れてくれたけど、決して僕の気持ちを受け入れてはくれなかった。気づけば僕らは学園の卒業を迎えた。多くの友人に囲まれて良い学生生活だったと思う、君も周りの1人として僕のそばで笑顔だった。結局僕と君は結ばれなかったけど、それは当然だったのだと思う。僕は君をどれだけ愛したとしても、僕は君に思いを伝えなかったのだ。いや、思いを伝えることは決して出来なかったのだから。
それでも僕は嬉しかった。君とエンディングは迎えることは出来なかったけど、君とのイベントを見るたびに心躍り、君の画像を眺めてはその愛らしい表情にマウスをクリックした。まさか君が攻略対象外キャラだったとはゲームを終えるまで夢にも思わなかったし、気付いた時は心が張り裂けるかと思った。けど今は君との出会いに、只々感謝している。だから、君に一言だけ伝えさせてくれ。
「僕と出逢ってくれて、本当にありがとう」
先生は解説中「こういった世界があるんですねぇ~。先生は知らないですけど何かのゲームのキャラクターでしょうか、先生は知らないですけど。所謂美少女ゲームというものなんでしょうね、先生は知らないですけど。」と仰られました笑