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中間管理職のおっさん、一万八千年後の未来へ。  作者: youli
第二章:転生から沖縄まで
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■8-1:トーキョーについたよ

 朝起きたら首元に小さなホクロが出来ていた。

 イメージの成果が出てきたのだろう、と一人ほっこりする。

 触ると埋まったニキビのような触感。

 どれくらい大きくなったらポロッと取れるのだろうか。

 そう思いながら指でつまんだり爪で押したりしていたら、ニキビのようにニョロッと出てきた。

 あれ、早めに出しちゃうのってひょっとしてまずい?

 ちょっと緊張してきたが、出ちゃったものはしょうがない。観察しよう。


 ルーペは持ってなかったので、レーザー測定器のレンズだけちょっとお借りして観察してみた。

 うん、完全に太陽の魔石だわ。しかし光を当てるだけで魔力を放出するとな。

 太陽電池とかだと光を当てると電位差が発生、イコール電気が流れる、なんだが、太陽の魔石に光を当てるとどんな作用が起きているのか見当もつかない。

 そりゃそうだ、魔力がなにかもよく分かってないんだ。

 体感だと……太陽の魔石の、光の当たっている側と反対側に魔力がふわ~んと流れているのが微妙にわかる。これを何とか集めてヒーターやら水分凝集機やらにまわして作動させている。

 導線も電気ならプラスマイナスの2本必要だが、魔力だと1本で良い所も謎。

 まぁ、追々研究していけばわかる事もあるだろう。


 アキバシティの北西側が見渡す限りの砂漠だったので神保町はなくなったんだろうな、と思って寄り道したが、町自体が無かった。

 一面の砂漠でビルの残骸すら残っていない。これじゃあ無理だろうな。

 古本は砂の中に消えたのだ。南無。

 そのまま聖なる森を回り込んでトーキョーへ。

 ここの森にはブタとか牛とか居るだろうか……と失礼な事を考えていた。

 調べる限りだと虫と一部のトリしか居ない。



 アキバシティを朝早くに出発したため、何とか昼過ぎに帝都トーキョーについた。

 帝都トーキョーだが……

 何というか、ぶっ飛んでる。

 砂漠の中に突如現れる、聖なる森を背景に持つ厳かな西洋風の巨大な建物……・トーキョーステーションがそびえ立つ。

 明治を感じる出で立ちで、俺の知る東京駅と全く同じなのだが、スケールが10倍ともなると大宮殿だ。


「でかいな……」

「でかいね……」


 タチアナと俺は二人してステーションを、ぽかんと口をあけて見上げていた。

 完全に、おのぼりさんである。


「とりあえず飯を食おう。何せ帝都だ。きっと美味いもんがあるぞ」

「そうだね、イナゴのステーキとか食べてみたいかも!」

「そういう食欲がなくなる事を言わないように」

「何でよ!おいしそうじゃん!ヒデキ、崩落の後から好き嫌い激しいよ?」

「ほっとけ!」


 帝都の町長……もとい市長は凄く忙しい存在のようで、一旅行者には会ってくれない様だ。

 「市長と話をしたいです」と何度か呟いた時点で、他の人からクスクス笑われた。

 くそう、アットホームな町長と話したくなった。

 しょうがない、弁当を買いつつ役所に行って全国で使えるカードへの変更手続きをしよう。

 役所の仕事に良い思い出はないが、背に腹は変えられん。

 定食屋を探し歩き、持ち帰りができる店で注文をする。

 タチアナは予想通り、イナゴのステーキ弁当だ。俺は豆がたくさん入った野菜炒め弁当を購入。


「ヒデキ、肉食べないと大きくなれないよ?」

「ほっとけ」

「ステーキわけてあげようか」

「お願いだからやめてください」

「好き嫌い激しいわね……」


 結局手続きには3時間ほど掛かった。弁当を買っていなかったら不機嫌なタチアナの相手をする事に苦労していたはず。

 過去の俺、グッジョブだ。

 待ってる間に、地元の人と話をすることも忘れない。


 曰く、西の果てには世界樹があるとか。


 曰く、稀に月がキラキラ光る時があるとか。


 曰く、大昔は太陽には子供が居たとか。


 曰く、聖なる森の奥には、この国の国教の最高神官が毎日祈りを捧げており、その神官は何万年も続く王家の血を引いているとか。


 今まで生きてきた中で一番ビックリしたわ。存続してらっしゃったんですねぇ。

 西暦二万百年なら、何万年って言ってもいいかな、うん。まさに万年一世。

 少なくとも俺が関われるような存在ではないので、考えないでおこう。

 将来へのフラグでも何でもなく、この話は危険過ぎる。

 第一、国教と言いながら、その国教イベントを一度も見ていないんだが。


 そして市民カードは全国どこでも使えるペンギンのカードになった。

 かわいい。

 俺は好きだよペンギン。

 でもタチアナには違った感想になるようだ。


「コレ虫?ペンギンっていうの?トリって種類なのね。トリって美味しそうなのね」


 こういう事言うんだもんなぁ。上がったテンションが下がるわ。


「で、ヒデキ、ナガタチョーってどこにあるの?どうやって行くのかわかってるの?」

「東京からならちょっと南、いや西に行った所にある有楽町から永田町まで地下鉄通ってるじゃんね。砂漠は暑いから地下から行けたら良いなって思ってるよ」

「ヒデキ、何でトーキョーに来た事も無いのにこんなに詳しいの?」

「そらまぁ、アレだよ。うん。有名じゃんトーキョー」

「……ヒデキ、最近変だよ。崩落の後から好き嫌い激しいし変なこと知ってるし、人が変わったみたいでアタシは心配だよ」


 これ以上はごまかしきれない……か……

 帝都まで来たし、真実を話す時が来たのかも知れない。

 最近は気分で内緒にしてた部分もあるし。

 ええい、カミングアウトしてしまおう。



「タチアナ、実は俺……あの崩落のときに前世の記憶が蘇ったんだ」

「……病院にいこう?大丈夫、アタシはちゃんと分かってるから。一緒についていってあげる」

「中二病じゃねぇよ!」

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