第一話 兄はボッチを脱却したいようです
土曜日起きると部屋の前で土下座をしている不審者と遭遇しましま。
まぁ、不審者ってのは冗談で僕の実の兄の祐二兄なんだが何をしているのか分からなかった。
「えっと、祐二兄どうしたの?」
「玲様どうか一生のお願いがあります‼」
「分かったから、どうしたの?」
「ありがとうございます、実は一緒にやっていただきたいゲームがございまして」
祐二兄は土下座をしながら器用に1つの箱を渡してきた。
それを受け取って開けてみると、最新型のVR用のヘッドセットとソフトが入っていた。
ソフトは今ネットで話題のVRMMORPGのSWO【ソードワールドオンライン】のものだった。
祐二兄の話を聞くと、実はβ版のテスターをやっていてその時はソロプレイをやっていたらしいのだが、ある程度進んだ所で流石に寂しくなってパーティーやギルドに入ろうとしたらしい。だけど、中々上手く行かずそのまま最後までボッチ(ソロ)だったらしいのだ。
で製品版が今日からオープンらしく、もうボッチは嫌だから僕を誘って一緒に遊びたいらしい。
「話はわかったけど祐二兄、何で僕なの?」
「玲も俺の交遊関係がそんなに広くないの知ってるだろ?」
「そうだったね…やるのはいいよ、僕もこれはやりたかったから」
そういうと祐二兄は顔を上げて嬉しそうに笑っていた。
「そうか、ありがとう!オープンは12時からだから準備してくれ」
「わかった、でもいいの?これ高かったでしょ?」
最新型のVR用ヘッドセットもそうだが、ソフトも人気がありすぎて購入できるのは抽選に当たった人だけのはずだ
「大丈夫、ヘッドセットは数少ない友人からの仕事の手伝いの、それにソフトはβテスターとしての報酬だから!」
最新型のVR用ヘッドセットが報酬ってどんな仕事の手伝いだったのかすごい気になるけど別にいいか、祐二兄のことだからそんな変な仕事でもないし。
「ならありがたく受け取るね、これの準備もあるから今日は早目にお昼にしようか」
「ありがとう!俺はヘッドセットの準備とかしとくから頼む」
「了解、そっちもお願いね」
「おう!」
祐二兄は嬉しそうに立ち上がって僕の部屋に入り、僕は部屋を出て早目の昼食を準備しにキッチンにむかった。
それじゃ、ログインしたら広場の噴水前に集合な」
「わかった、ログインしたら連絡するから」
「それじゃまたあっちで」
早目の昼食を終え部屋に戻りと直ぐ様ヘッドセットを被りSWOにダイブした。