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妄想のサモナー(召喚士)◆闇の女神に気に入られて◆  作者: 小林寺
まずは召喚士を目指そう
13/31

世界新記録

 魔法は杖の先に魔法陣が現れ、その後すぐに消えた。発動したのか?周りにはそれっぽい変化も何も無く、効果はまるで無い様だ…だが魔力の消費は感じており、何かしらの魔法が発動しているはずなのは明らかなのだが…。その直後、振りかぶられた枝での一撃が2人に向かって襲い掛かる。だが、寸前の所でなんとか攻撃をかわす。そして崖の本当にギリギリの場所まで追い詰められて、あと一歩後ろに下がると崖から転落してめでたく神殿にて復活となる状況だ。


「も、もう無理ぃ!どうしたんだっ!?何も起こらないぞっ!?」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


 お互いの肩と肩が触れ合うほど密着した状況。平常時ならば健全な男女ならばお互いを意識して何かしら気まずかったり、興奮したりと言った反応を見せる距離なのだが、2人は最早顔面蒼白となって震えている。そしてコレが本当の最後だと決意を胸に、もう一つの魔法を詠唱する。杖に魔力を込め、[ブラックウィロー]達に向ける。


【シャドーバインド】


 同じく杖の先に魔法陣が現れ、今度はその魔法陣から地面に向かって黒い影が放出され地面に吸い込まれていく。そしてその影は大きな影へと拡張し、そこから地面を這う様に黒い影が放射線状にモンスター達に向かって伸びる。そしてその影はモンスター達の足元から上へと黒い棘のある蔦のような形状へと変化し、ウネウネと登って行く。そしてその蔦はモンスター達を拘束し動けなくさせる。


「お、おぉぉ?おぉぉぉおおおおっ!?止まった!止まったぞっ!」


「え?もうバナナは食べられませんよ?」


 動けなくなったモンスター達を見て歓喜の声を上げるセヴンと、顔を覆った白く小さい手の指の隙間から覗く様に様子を見ながら、最早混乱しているとしか思えない言葉を放つバニア。

 だが、この初めて使った魔法が何時まで効果があるかなんて解ったものでは無い、すぐさま次の魔法の詠唱に入る。


【ポイズンミスト】【ダークボルテックス!】


 毒の効果が現れ、モンスター達を黒い炎の渦が包み込む。だが未だ倒す事は叶わない様で、再度呪文を唱えようとした所、1体の[ブラックウィロー]の幹に光る数字の様な物が出現していた事に気が付く。

 そしてその数字は発見した時は12、現在は6と徐々に減っている。カウントダウンをしている様に思える。そしてその光る数字が0に変わった時……。


 バキバキバキバキバキバキッ…ズズズゥーーーーンッ!


 その光る数字が表示されて居た[ブラックウィロー]は、激しい音を立ててその場に倒れた。どうやら何らかの魔法の効果だとは思うのだが、今一状況が理解出来ない。そして思い出す。祈りを込めて発動したのにも関わらず、不発に終わった魔法の存在を。


「チックタックの効果が今頃でた?なんだろう?」


 そう考えながらも、毒の効果は消え、黒い炎の渦も消えていたので追加する。まだ拘束は解かれていない様だ。


【ポイズンミスト】【ダークボルテックス】


「ついでにもう一度使ってみるか」


【チックタック】


 一番前に居た[ブラックウィロー]に杖を向け魔法を発動させる。するとまた幹の部分に光数字が現れ、100と数字が表示された。そして徐々に数字が減って行き、カウントダウンが始まる。


「あれは魔法の効果が発動するまでのカウントダウンなのではないですか?」


「どうやらそのようだね、やっぱりちゃんと魔法は発動してたんだね。危うく女神様を呪う所だったよまったく…」


 そう愚痴をこぼしながら地面に座り込み、自らの魔力を回復させながら、その魔法の発動を2人で見守る。その間、毒で持続的にダメージを与えながらだ。


「「5!4!3!2!いーーーちっ!ぜろぉっ!」」


 2人共何か新年のお祝いの様な感じでカウントダウンを口にして数字の最後を数える。


 バキバキバキバキバキバキッ…ズズズゥーーーーンッ!


 やはりその場に倒れこむ[ブラックウィロー]1体。どうやら対象は1体、効果は死へのカウントダウンと言った所の魔法の様だ。なにやらモンスター達を拘束していた影の蔦が薄くなって来た様に思え、立ち上がり再度発動させる。その後は同じ様に毒と黒い炎の渦でダメージを与え続け、遂にその時はやって来た。

 毒の持続的効果と黒い炎の渦のダメージの蓄積で、1体、そしてまた1体と[ブラックウィロー]が倒れて行き、最後の1体も遂に2人に触れる事も出来ず倒れる。そして2人ヲレベルアップの光が祝福した。


「やりましたね!セヴン君!凄いです凄いです凄いです!」


「へへへへぇっ楽勝だったなっ!!」


「一時は本当にどうなる事かと思いましたが?」


「うっ…俺も記憶喪失かっ!?何故か嫌な事が思い出せないっ!」


「え??それは大変です!どうしましょう?頭を思いっきり叩いてみますか?ほっぺた抓りますか?それともこの崖から落ちてみますか?」


 本気で心配しながらもとんでもない事を口走るバニアに背中に冷たい汗が垂れるのを感じるセヴン。


「いや…ごめん冗談なんだ…。それよりバニー!俺の魔力ある程度回復したら、今度はバニーが適当に何体か弓で攻撃してさっきの広場まで連れて来てくれないか?」


「はい!しっかり後ろで見てましたから!同じように連れてくればよろしいのですね!」


「そうそう、俺は魔力を回復させる為にあの広場で座って待ってるからさ、頼むよバニー」


「はっ、はいっ!がんばりましゅっ!あ…しゅ!しゅ!すっ!!」


「お…おちついて…」


 いつもの様に壮絶に噛んだバニアは、何時も守ってもらってばかりで何も出来ていない自分に、初めてセヴンが「頼む」と言った事が嬉しかった様で凄く嬉しそうな顔をしてニコニコとセヴンを見つめていた。そしてセヴンの魔力が一定量回復した所で広場まで戻り、バニアは颯爽と金色の髪をなびかせて走って行った。






 バキバキバキバキバキバキッ…ズズズゥーーーーンッ!


「これで今日は終わりにしようか」


 そう言って今日の狩りの終了を宣言するセヴン。狩りと言っても誰も手を出さない様な大型の樹のモンスターを大量にかき集めて一気に殲滅すると言う、ダークエルフの街近辺で狩りをする冒険者達にとっては到底信じられない様な狩りではあったのだが…。

 その証拠に、気が付けば周りにチラホラとこの奇行を観戦する冒険者の影があったのだが、その観客達に見られる事によって、バニアはどこかいけない事をやってる様な気持ちになり恥ずかしくなっており、セヴンに至っては何やら頬を赤く染め、ブツブツと「ギモジイイ」などと呪文を唱えていたのは言うまでもない。


「なんかいっぱい見られていて恥ずかしいです」


「そ、そう?ギモジイイ…ゴホゴホンッじゃなくって見られていたら楽しくなって来ないか?まぁとにかく今日はここまでにしよう。光る枝なんかも何本か手に入ったし、大量にアデナも稼げたし、何と言っても経験値がヤベーヤベーッ!なんか最後のあたりなんか[ブラックウィロー]がピンクネームになって来てたからね」


「全然攻撃してなかった私でさえ今日だけでレベル10上がってますもの、セヴン君はもっとでしょう?」


「俺は14上がっちゃってるなぁ…転職クエスト受けなきゃだ」


 アズガルドの冒険者達はレベルが40になる事で、上位の職へとクラスアップする事が出来る。しかし、簡単にはもちろんいかず、転職クエストと言われるクエストを達成する事により、初めてクラスアップする事が出来るのである。そして上位職に転職する事が出来たのならば、そのまま冒険者ランクも3へと上がる事になる。通常ではとても考えられない期間でクラスアップ可能レベルまで到達したセヴンは異常でしかない。こうして爆発的なレベルアップを成し遂げて2人は街へと帰って行った。



●ワイルド・セヴン(16歳)

 [種 族]:ダークエルフ  [クラス]:メイジ

 [レベル]:40(14up)      

 [スキル]:ダークボール(闇)ウィンドウォーク(風)ポイズンミスト(闇)ウィンドカッター(風)ダークボルテックス(闇)ロアー(闇)ダークプリズン(闇)カームヒール(風)(new)ジャドーバインド(闇)(new)チックタック(闇)(new)

 [称 号]:冒険者ランク2、見られる者、異常快楽者、女神の玩具、幸運、ワールドレコード(new)




面倒臭いレベル上げはパパッと済ませてしまいましょう!

っと言う訳で次話からは遂にあの職業へと転職する為に頑張りたいと思います。

土日は所用の為更新出来ません。次回更新は8月17日~


ご感想お待ちしておりますっ!

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