開幕
今回は世界観の説明です。
この世界には人ならず者“妖”と呼ばれ者たちが存在する。
彼らは、人以上の力を持ち、自分たちの力から意志を持つ巨人を従え、人々を脅かしていた。
そんな彼に対抗すべく、人が編み出したのが、火、水、木、金、土の五行を取り込み、呪術や法術を極めた“陰陽師”と呼ばれる者たちである。
陰陽師たちはまず、呪いの媒介となり、実態を失った霊魂たちを調伏し、人に近しい実態を与え、制約のもと人に従い従者となる妖を生み出した。
また、妖といったてんから彼らも、自分たち巨人を生み出す力を持っていた。
陰陽師たちは従者たちからその力を学び、自ら操る五行に組み意志を持つ巨人を作り出した。
これらは総称して“司機神”と命名された。
陰陽師と従者の妖、人に仇成す妖との紙機紙を使った戦いは、長い年月続いた。
人の世が、人同士の戦国の世へと向かうにつれて、人と妖は徐々に力や富、領地を得るために同盟という形で共存への道へと進み始めた。
しかし、それ同時に人のみでありながら、妖の力を取り込み吸収し自ら、妖となる堕ち人の誕生の始まりでもあった。
力が物をいう戦国の世でついには、史上最凶にして最強の堕ち六天魔王“織田信長”を産み出してしまった。
その強大な力を持った織田信長も天下を手に入れるあと一歩のところで、明智光秀が率いる陰陽師たちによって本能寺で封じられる。
それから時は進み、時代は科学進歩し、街は明かりに灯され、夜の闇は消え、人と妖は本格的に共存を始めた。
そして現代、草木も眠る丑三つ時――
『はぁ!』
獅子を模した赤い武者の姿を巨人が別の巨人を斬りつける。
『せい!』
続けてクノイチと狼を掛け合わせたような巨人が、素早い動きで斬りつけられた巨人に追撃をかけ、蹴り上げる。
『だぁ!』
さらに上空から蝙蝠のような姿を巨人が、とどめと言わんばかりに敵の巨人に弓矢を放つ。
敵の巨人は空中で回避できずに、蝙蝠の巨人の放った矢に貫かれ、そのまま爆散した。
時は進み、時代が変わり、街から闇が消えたとしても未だに人を襲う妖は絶えず、またそれを止める陰陽師も耐えることはない。