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ノースフェラト

 そんな訳でノースフェラトの都市の方で顔文字さんと合流した。

 姉さんや紡、闇影は相変わらず周辺狩場へと遊びに行ったままのようだ。

 あ、らるくとてりすもクエスト調査の途中って感じだけど一緒に店で雑談することになったそうだ。

 曰く俺のファンギルド対策で仲が良いアピールをするんだと。

 難儀なことで。


「それで島主よ。釣りの結果はどうじゃったのかのう?」


 顔文字さんが仲良しアピールとばかりに俺の隣に座って語り掛けてくる。

 なんだろう? こう……可愛く見えるを熟知しているような角度と動きに見えるのは。

 面倒ごとに絡まれない為に俺と仲良くしているように見せるための必死さがある気がする。


「順調に目当ての魚が釣れた所だな。硝子の案内もあってさっくり行けたよ」

「そうですね。皆さんが期待するようなことはなく平和に釣ってきましたよね」

「うん」


 本当はヌシとか期待して釣りをするんだけど既に釣り上げられている場所で再出現はしてないそうだからしょうがない。


「ただー……湖の方の大会で絆さんが参加することで伝説のブラックバスが出るかもしれないと受付のリスーカさんが仰ってましたね」

「うむ、フラグがあるなら是非とも参加すると良いと思うのじゃ。その際はみたいものは島主の近くにいると良いじゃろう」

「おうよ!」

「是非ともその瞬間を見たいわね」

「伝説のブラックバスかー……どんくらいデカいんだろうな? こんなもんか?」


 ってらるくが両腕を広げられるだけ広げている。


「絆さんが釣った事のある魚からすると驚きは余りないかもしれないですね」

「次元ノ白鯨を釣った絆の嬢ちゃんからしたら驚かないってか?」

「そこまで傲慢じゃないって、ブラックバス基準で考えたらすごく大きいかもしれないからそこで驚くかも」

「ブラックバスのサイズはどんなもんなんだ? 絆の嬢ちゃん」

「さっき絆さんが釣っていたのが47センチですね。私は35センチ。確かヌシが……73センチだと絆さんのファンギルドの方が測っていました」


 へーそんな大きさなんだな。


「硝子の嬢ちゃんが答えるとは思わなかったぜ」

「絆さんから教わって私も色々と勉強してますからね。ゲーム内でですが」


 本当、硝子が付き合いだけど真面目に覚えてくれてうれしい限りだね。


「じゃあ伝説のブラックバスってのが本当にいたらヌシより大きいって事か?」

「らるく、大きさだけが全てじゃないわよ。例えばアレよ。金ぴかのゴールドブラックバスとかも伝説になるんじゃない? てりすからすると目がキラキラとして宝石みたいだから伝説って感じになってほしいわ」


 てりすは相変わらずその辺りが基準なんだなー。

 ラーヴァブルーギルが冷めた時に黒曜石みたいになった鱗がきれいねって言っていたてりすらしい意見だとも言えるかな。


「なるほど、確かに大きさだけが全てじゃないのう。金色のブラックバスというのもまたあり得る話じゃ」

「それであれだな。釣り上げることで正体を現して真紅の龍とかになるんじゃね? 鯉が滝登りで龍になるって言うじゃねえか」

「水族館で確認したのですがブラックバスはコイじゃないですよ?」

「え? ちげえの?」


 そうなの? 硝子が水族館で仕入れた知識に関して俺も驚きだ。


「はい。水族館で見た説明ではスズキの仲間だそうです」

「スズキ目って事なんだ? 俺がゲームをする前に知ったのはオオクチバスって名前だったけど……」


 後でクレイさんから教えて貰うのだけどバスって時点でスズキなんだそうだ。


「まー……鯉にしては口大きいし違うんだな」

「でも正体を現して龍になるとかロマンじゃね?」

「ロマンかなー? そもそも戦闘展開じゃない?」

「おうよ。『おのれ人間ども! この湖のヌシの我を釣り上げるとは不届き者め!』って感じで第二ラウンドの始まりよ」

「次の瞬間、絆さんに細切れにされてそうですね」


 硝子……君は俺をどんな存在に思ってるの?


「俺に期待しすぎじゃない? そこまで戦闘特化の達人じゃないよ」

「確かに絆さんは本来、そこまでの達人ではありませんでしたが今ではとても頼りになるくらいに成長したと思いますよ?」


 狩猟具のスキルの所為って事は否定しないけどさ。


「らるくー逆に釣り上げたことで願いを叶えてくれる展開じゃない? ほら、龍ってお願い聞いてくれる感じでしょー」

「お、それもおもしれえな」

「らるく達は想像力が豊かなのじゃ」

「そもそも俺が確定で伝説のブラックバスを釣るってわけじゃないと思うけどな」


 そんな約束された出来事なんて存在しない。自分が主人公とか自惚れも大概だ。

 接待ネトゲじゃないっての。


「じゃがその伝説のブラックバスに最も近い実力者というのは揺るがんじゃろ」

「まあ……積んでるスキルからするとそうかもしれない」


 少なくともこのゲーム内で一番釣りスキルを取得していると自負はしたい。

 だってそれが俺のソウルライフ。このゲームでやると決めた事だ。


「参加する限りは狙ってみるけどね」

「期待するのじゃ」

「それで顔文字さん達の方はどう? 何か収穫あった?」

「クエストはあるけど絆の嬢ちゃん達が起こす面白いのがあるかは期待できねえな。割と真面目な……開拓地で見るイベントが多いぜ」


 らるくが調査途中の報告をしてくれるようだ。


「へー都市入手のメモリアルクエストとかどう?」


 この辺りはカルミラもプラドも用意されているんだよね。


「そこはみんな挑戦してるからよ。気が向いたらやっても良いぜ」

「どんなクエストだったんだろ?」

「迷いの森を抜けた先にある洋館を居城にしていたフランケンタイラントって魔物を倒すクエストらしいぜ。レアドロップはー……ゾンビ館長のグラディウスだそうだ」

「それ、絶対に強化するとハーベンブルグ伯爵のカトラスみたいな進化する武器でしょ」

「だろうなー狙ってるやつ居るのか気になる所だぜ」

「沼じゃからそこまでいないのではないかの?」


 カトラスバブルはもう崩れ去ったか。


「つー感じで今の所は俺たちだけでやるけど目立つイベントや報酬は期待するもんじゃねえって所だぜ。良いスキルやレシピが貰えるクエストがあったら教えてるから期待しててくれよな」

「ああ。スピリットだと何かありそうとか該当スキル持ちだと何かありそうなのがあったら教えてくれ」

「わかったわ。まあ、料理のレシピとかもらえるクエストとかあるし、その辺りを今度教えるのもいいかもしれないわね」

「てりすが作れるなら問題なさそう。というかてりす経由でこっちが習得した料理とかあるし」

「そうね。ギルドも同盟関係だしレシピ目当てならいらないかもしれないわー」


 何にしてもらるく達のマメなクエスト攻略は期待しておこう。

 こういったプレイヤーがいるお陰でゲームの攻略サイトとかみんなが見るようになるんだ。


「次はわらわじゃな!」

「顔文字さんは何か発見があった?」

「もちろんなのじゃ。ノースフェラトでしか手に入らない作物の種なんかを色々と確保したのじゃ」

「ほー」

「プロペラカブという地面から引き抜くと葉っぱが回転してしばらく滑空出来る野菜やキホーテキャロットの種もあったのじゃ」


 顔文字さんもノースフェラトで中々の収穫があったようで何よりのようだ。


「それとー……ここの領主は島主のように色々と手広くしているのが都市を散策して分かったのじゃ」

「絆さんのようにですか……中々凄い方なのですね」

「絆の嬢ちゃん並みってすげーな」


 おい……俺ってそんな奇人か?

 そんなとんでもない変わり者みたいなことになるのは心外なんだが。


「あ、てりすもその辺り聞いたわ。凄いわよね。絆ちゃんの所のカニ籠漁並みの重労働スキル習得講座がここでもあるのよねー徐々に広まって来てるわ」

「重労働スキル習得講座って……」


 まあ、カニ籠漁に関わるだけで釣り系と罠系技能が軒並み上がるけどさ。しかも料理スキルも結構入る。


「一体どんな作業なんです?」

「養蚕ね」


 ようさん?


「あーあそこはすげーな。見学でチラッと見せて貰ったけど工場の流れ作業をするところがマジで絆の嬢ちゃんというかアルトの坊主が広めた通称蟹工船だぜ」


 闇影も言ってたなー……蟹工船だって。


「それでようさんって?」

「絆ちゃんパッと文字が浮かんで無いわね」

「蚕を育てる仕事ですね。聞いたことがあります」


 硝子も知ってるのか。

 俺も詳しく聞けばわかるかもしれないけどパッとは出てこないや。


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久しぶりだったので一から読み直しました。 更新嬉しいです!
待っていました! しかしご無沙汰過ぎて、『前回までのあらすじは?』が欲しくなる!
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