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魂片


「あら……」

「おや」

「これはー……」

「oh……」

「いきなり壊せるのでござるか?」

『そ、そんな――ま、魔王様! ち、違います。どうか、どうかお許しをぉおおおお! アギャアアアアアアアアアアアア!?』


 で、ダインブルグが直後に土下座して許しを請う台詞を言った直後にダインブルグに向かって極太のいかずちが降り注ぎ室内が光に包まれる。


『アバ……アバババ――あ、ああああ……』


 で、いかずちが止まったかと思うとそこに残されていたのは瀕死で倒れているダインブルグだった訳で。

 そのままドスーンと倒れてしまった。


「えーっと……」


 一応瀕死でわずかにHPが残っているけどあと一撃で倒せてしまう。


「ペエエエェエエ」

「あ、ブレイブペックル、ちょっと――」


 さすがにこれにとどめを刺すのはもう少し待ってからにしようと思ったのだけどペックルは止まらない。

 ブレイブペックルが呼び出したリザードマンの攻撃が命中してダインブルグのHPは削りきってしまった。


『うぐうう……ここまでか……今回は敗北を認めるとしよう』


 仰向けに倒れたままダインブルグが何かしゃべってる。

 ……これは笑う所なのだろうか?


「動画に撮ったら面白い光景だよね」

「そうですね。らるく達も望んでいたイベントでしょう」

「まさか硝子殿がやるとは予想外でござるな」

「私の所為ですね。申し訳ないです」


 ボスに謝っても相手は許すとかそういうのは無いと思うけど……こう言う所は硝子らしいね。


『次こそ本当の私が相手になるとしよう。その時まで精々腕を磨いているが良い』

「いや……磨くも何もギミックで秒殺されちゃってるのに言われてもなぁ」


 って感じの感想しか出ないよね。


「本当の私と言っているという事は分身だったって事みたいだね。ほかの四天王のイベントも同じなんだよね」

「まだまだ戦うことになりそうだけど……緊張感無いですね」

「まさかこんなギミックでやられちゃうなんてねー」

「少し可哀そうでしたね」

「そ、そうだね」

「そう……同情する」


 ギミックは分かったけどこんなすぐに倒せてしまうというのは悲しいものだ。


『勇者ペックルよ見事だった。どうにか……いや、何も言うまい』


 いや、何を思わせぶりなセリフを言ってるんだよ。言えよ。まさか像を壊してしまうなんて思わなかったとかお前たちの所為だぞとか。

 それくらい言う権利がある気がする。

 ボスNPCだけど同情しかできない。


「本当、すいません。どうかお気になさらず……」


 硝子? NPCだからそんな事を言ってもたぶん反応しないよ。


『うぐ……本当、どうして壊してしまったんだ……ぐううう』


 おい、本体もなんかダメージ受けてる感じの声がしてるぞ。

 で、ダインブルグが影になって霧散した。

 カッと何やら禍々しいエフェクトが霧散して砦の外から明かりが差し込んだ。


 ――メモリアルクエスト『大地の四天王ダインブルグの砦』クリア!


 ――総合評価一位、箱庭硝子

       二位、絆†エクシード

       三位、しぇりる

       三位、紡†エクシード

       五位、闇影

       五位、ミリー


 で、リザルトが表示されてクエストは達成のようだ。


「何はともあれクエストクリアみたいですね」

「そうですが……」


 ミリーさんの言葉にみんな微妙な反応をせざるをえない。

 何せ……事故とはいえ石像をあっさりと破壊させてしまったんだし。


「後半のギミックで壊せるんじゃないんだなー」

「そうだねー硝子さんグッジョブだね」

「悪いことをしてしまった気がします。今度は正式に戦った方が良いかもしれませんね」

「一応何周も出来るからね。みんなの装備を集める意味もあって周回するのは良いかもね」

「何にしてもリザルトで手に入った素材とかドロップ確認しようよ。霧散しちゃったから解体はできないし」

「そうだな」


 で、出てきたのはダインブルグ由来の素材だ。

 ダインブルグの角や血、ダインブルグの魔力片とアースジュエル。結構良い感じに素材が沢山ある。

 他に……あ、媒介石に入れる魂、ダインブルグの魂片という代物まで手に入ったぞ。

 後はダインブルグアックスをしぇりるがドロップしたらしい。


「一回のメモリアルクエストにしては報酬妙に多くない?」


 紡がここで疑問をぶつけてくる。

 そうなのか闇影? お前も周回くらいするよな?


「そうなのか?」

「そうでござるな。確かに多いでござるよ」

「うん。四天王のメモリアルクエストってみんなで頑張ってクリアしても滅多に四天王素材ってドロップしなくて集めるの大変なんだよ」


 ほう……。


「顔文字さん達がクリアした時はそこそこ土産に持ってきたぞ」

「そりゃあメモリアルじゃなくクエストだったんだからじゃないの?」

「なるほど……じゃあなんで今回多かったんだ?」

「うーん。何か別のフラグとか? ブレイブペックルを連れたお兄ちゃんだからとか」

「特殊撃破報酬かもしれないぞ。硝子がやってくれたわけだし」

「私じゃなく絆さんでは?」

「そもそも挑む際にシークレットクエストって出てたし」

「え? 気づかなかったよ。そんなのあった?」


 紡がみんなに尋ねるとみんな考え込む。


「ちょっと自信が無いでござるな」

「そのような表示は無かったように感じましたが……」

「そもそもお兄ちゃんが渡す素材が多い。絶対に何か別のクエスト報酬入れてるはず」

「うーん……ダインブルグの苦悩と狩猟ってシークレットクエストだったぞ」

「流れ的にブレイブペックルとお兄ちゃんの狩猟具のスキルが関わってるでしょそれ」


 ここに来て俺の優遇パターンか? 狩猟具ってスキルが何かしらの恩恵が得られると思っていいのか?


「報酬多めってだけだからよかったのかな? あ、でもダインブルグの台詞が追加されてたっぽいよね」

「誤差程度だったし、らるく達はブレイブウサウニーとのやり取りがあっただろうから差し引きで問題ないな」


 これで悔しがられるのは心外だ。


「俺は何もしてないのに報酬貰って良いのかねー」

「何周もしてれば揃う素材だからそこまで優遇ではないと思うけどこういった時はちゃんと言ってよね」

「そうでござる」

「色々とありそうだったのは間違いないと思いますよ」

「それでお兄ちゃん、ほかにドロップは?」

「ダインブルグの魂片ってのが手に入ったぞ」

「あ、それはスピリットなら手に入るモノですよ。シンプルにステータスアップするもので使いやすいのでセットすると良いですよ」


 硝子が媒介石にセットする魂に関して教えてくれた。


「レアリティがあってノーマル、アンコモン、レアと段階があるんですよ。特別なものだと更に上があるそうです」


 えっとダインブルグの魂片……レアリティは、アンコモンだ。


「ああ、やっぱりそうなんだ」

「何度も挑戦してレア以上を狙うのが良いそうですね。普通の魔物でも魂が手に入る時がありますがボスだけに性能が破格なんですよ」

「わー……ゲーマーの心が分かってるね」


 四天王の魂の断片だからそれだけスピリットからすると欲するアイテムなんだな。


 ダインブルグの魂片 アンコモン

 アックスマスタリー2 地耐性増加3 腕力増加(小)

 四天王の加護(小) 魔王の契約(微) エネルギー消費増加

 アーススパイク


 うーん……悪くは無いけど微妙に俺のスキル構成にかみ合わない。

 レアとなるとより高性能になるんだろうか?


「媒介石が良いものにしないと性能が発揮できないのもありますね」

「俺はあんまり媒介石を良いの装備してないからなー」

「セン地方はスピリットの町なので品ぞろえがよかったですよ。他にもロミナさんの知り合いにも媒介石を作れる人が居ますので今度聞いてみましょう」

「了解ー」

「色々と手に入ったでござるな」

「そうだな」

「そう……収穫、多かった。まだ回る?」


 しぇりるが周回を尋ねてくる。


「次は俺とミリーさんが見つけたシークレットクエストからのメモリアルクエストに挑戦だろ」


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