パリィ
「なんか専用台詞なんだろうけど差し引きされてない?」
「ブレイブペックルのお陰でイージーになるのは避けられないのかなー」
「素材目当ての周回には良いかもね。強化ボスじゃないとドロップしない素材があるなら別だけど」
「その辺りはおいおい試して行けばいいだろう」
「そうだね。じゃあ……一気に行きましょう!」
『いざ尋常に勝負!』
俺たちが近づくことでダインブルグが戦闘モードに入って筋肉だるまからの突進と格闘攻撃を行ってくる。
が、その動きは高速モードの俺だと対処できる速度で、ボス特化の呪われた剣である太古の恐竜王骨の剣で攻撃できる相手だった。
「おりゃあああ!」
ズバァ! っと闇色の斬撃をダインブルグへ切り付ける。
「おー絆殿の解体武器のエフェクトがかっこいいでござるなー」
「それが呪われた武器なんですよね」
「まあ、そうなる」
ボスまで使わなかったのか? って思うだろうけど道中は大した敵が出てこなかったんだからしょうがない。
そもそも太古の恐竜王骨の剣は元々白鯨の太刀だった訳だし、普段は青鮫の冷凍包丁を使ってるんだよ。
スティール目当てに青鮫の冷凍包丁の方がよかったかな?
ガス! っとダインブルグの格闘攻撃である拳を受け止めてダメージを受ける。
これで太古の恐竜王骨の剣の効果にある復讐の力も発動した。
この状態からの……スキル攻撃!
「ハイディングハントからのクレーバー!」
『うぐ!』
ゴリっとハイディングハント……隠ぺいからの素早く回り込んでクレーバーを放つだけでダインブルグのHPを1割削ってしまった。
あ……これ、火力が高すぎて直ぐに終わっちゃう。
ボス特化でしかも攻撃増加の効果が満載だからシャレにならない火力になってるんだ。
「絆殿は相変わらず超火力でござるな。見た所、ダインブルグは闇耐性は多少あるようでござるけど突破してるみたいでござる」
「ええ、そのようですね。絆さんは変わらないですね」
「お兄ちゃんが頼れるアタッカーになるなんてねー」
「そう」
「スキル習得してから火力役になってるのは否定しない」
ブラッドフラワーとかチャージしてぶっ放したら速攻でHPを削り切っちゃいそう。
『喰らえ!』
ダインブルグが地面を何度から叩いて高速で突撃してくる。
柱を盾にすれば刺さって動きが封じられるんだっけ?
「その攻撃は弾けます! はあ!」
俺に向かった攻撃を硝子が前に出て扇子に手をかざして光を宿し、でダインブルグの突進を弾いてしまった。
バシィイン! と派手なエフェクト出てたぞ。
弾かれたダインブルグは突進の軌道をそらされてしまった。
『ぐぬううううう!』
「おー……」
アレを完璧に弾ける硝子は相変わらず凄いな。
「これが魂魄付与です。エネルギーを振り込んで武器の性能を一時的に強化が出来るんですよ。覚醒状態になって武器ごとに秘められた力が発動するんです」
「そうなのか」
ダインブルグの突進とか弾ける攻撃に見えないのに弾けるようになるとか凄まじいなぁ。
もともと弾けてそうだけど。
『ちょこざいなぁああ!』
ズボッと柱に刺さった角を引き抜いたダインブルグが一番近くにいた硝子に体を向ける。
ちょうどいいとばかりに硝子が手招きしてるけど良いのかな?
『なかなかやるじゃないか! これはどうだ! 大地よ!』
ズボッと柱に刺さった角を抜いたダインブルグが大きく地面を踏みしめると辺りが揺れ始める。
「それは対策出来ます。鎮震の剣!」
で硝子が要石の扇子を剣にして地面に突き刺して無効化。
うん。完全に対策が成り立ってるね。
「ちょっと絆さんに私の新技を見て頂きたいと思ったのですが、やる暇が無さそうです」
硝子にダインブルグの攻撃を弾いたりして貰って居るので攻撃する余裕が無さそう。
「どんな技?」
「釣り竿の技なのですが溜める時間が必要なんです」
「ちょっと難しそうだね」
「はい」
硝子も新技習得してるんだな。みんな色々と覚えてて少し羨ましい。
っと、俺も何か新技を使いたい所だけど……カースダイノ使えるか?
って自身のステータスを少し確認する。
呪いゲージ 10%
って何時の間にかエネルギーとマナの下に呪いゲージが追加されてる。
「よっと!」
ザシュッと太古の恐竜王骨の剣で斬りつけたら呪いゲージが15%に上がった。
あー……たぶんこれって呪具のスキルが付いた武器で攻撃すると蓄積していく専用ゲージって事かな?
他にもじわじわとパーセントが上がっていくようで現在16%だ。
上手いこと管理してスキルを放てって代物のようだ。
俺が使える呪いのスキルってカースダイノだけだから使えるか分からないけど。
「カースダイノ」
呪いゲージが足りません。
「うーむ……必要呪いゲージがまだ足りないか」
「絆さんの新技ですね」
「うん。とりあえず硝子が技を放てる余裕を作るために別の新技を使う」
って事で釣り竿に武器を速攻チェンジして……ダインブルグに引っかけられるかな?
『まだまだ! 我が拳を受けるが良い!』
ってダインブルグが拳を握って猛攻を仕掛けてくる。
筋肉質の巨体が繰り出す拳の連続攻撃は結構痛そう。狩りゲームの金髪になる猿のボスが放つ攻撃に似たモーションだ。
「は! あ、これは弾いても皆さんの方向から反らせませんね」
硝子が連続で弾いているのだけどそのまま硝子を通り過ぎて俺達の方へとダインブルグが殴りモーションのまま近づいて来る。
『ふん』
ドシンと最後の一撃を地面に叩きつけ、そのまま更に別の地震攻撃に繋げようとしてるけれど封じられているので無力化された。
結構モーションが豊富な印象だなぁ。
『すー――』
「ペーン!」
『うお――ちょ、ちょ――』
っと一拍隙が出来ているので攻撃をしようかとした所でブレイブペックルが盾を構えて近づいたのに驚いたようなモーションで尻餅をついてる。
あのさ……ダインブルグさん、ブレイブペックルを相手に専用モーションで大きく隙作るの程々にして欲しい。
じりじりと距離を詰めるブレイブペックルを相手に急いで体勢を立て直して叩きつけモーションをして受け止められる。
「結構硝子ちゃんが攻撃する隙があるね」
「そうですね。武器を持ち替えるべきでしょうか」
『大地よ!』
って硝子が持ち替えをしようとした直後にダインブルグが地震攻撃をしてきた。
「またですね。ダインブルグさんの攻撃だと鎮震の剣を再使用しないと封じられないのですよ」
剣を地面に突き刺している間しか止められないらしいので硝子はそのままの姿勢を維持している。
『まだまだぁあああ!』
っとダインブルグが前傾姿勢になる。
突進の構えだ。
「また弾きます」
硝子は絶好調って感じに弾く準備をしてるなぁ。
「パリィするの難しくないの?」
言ってはなんだけど巨漢の大男の猛攻を容易く弾ける硝子は中々肝が据わっているのではないだろうか。
俺はスキルの力で大分遅く見えるけどそれでも弾くのは難しく感じる。
「ええ、なんでしょうね。このダインブルグさんの攻撃、呼吸に合わせやすいんです」
「相性が良いって事なのかなー」
システム面で判断されて割り振られた相手だというなら確かに硝子はダインブルグと相性がいいという事なんだろう。
その理屈だと俺はアクヴォルと相性が良い事になるんだけど……。
そうなのかもしれない。
『ふん!』
ってダインブルグが突進攻撃をしてきたので硝子がみんなが戦いやすいようにフィールドの奥の方へと誘導しながら攻撃を弾いた。
『ふんぬうううう――ああああああ!?』
するとダインブルグは器用に弾かれて走り去って……ボス部屋ギミックで安全地帯だって言われている鎮座されている像……ドラゴンっぽい像に勢いよくぶつかってしまった。
いや、どうにか止まろうと踏ん張っていたのだけど勢いの強い突進によって止まり切れずに突撃してしまったというのが正しいか。
あんな勢いのある突撃を弾ける硝子さんっパネェっす! って感じに器用にパリィしたよね。
ドゴォ! っと見事に像にダインブルグの角は突き刺さりビシビシと音を立てて石像が砕け散った。




