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人見知り

「中々悪く無い作りをしている」


 ロミナが町並みに関して評価している。


「私としてはこう言った所も悪く無いと思ってる。鉱石とかどんな感じ?」

「カルミラ島で採掘出来るものと、宝石系が多めな印象かな。それと化石が多い」

「ほう……エンシェントシリーズを作るのが大変だからこの地で稼ぐのなら良いかもしれないね」

「エンシェントシリーズの需要は?」

「見た目と性能、共に人気はあるけれど素材を集めるのが大変でね。プレイヤーからすると苦労する一品って所だよ」


 ほう……そこまでの代物なのか。

 なら後でロミナに余った化石を渡して武具にしてもらうのも良いかもしれない。

 ミリーさんが渋い顔しそうなので相談してからだけどね。


「……」


 で、しぇりるは相変わらず何考えて居るのかよく分からない顔をしてるな。

 そういえばしぇりるは冒険が目的な所を考えるとミリーさんと仲良く出来るかもしれない。

 好みの部分は異なりそうだけど話は通じるかも。


「絆……帰ってきた」

「ああ」

「いろんな所にもっと出かける」

「そうだな。いきなり閉じ込められちゃったからみんなで出かけようとは思ってる。知り合いも増えたし出来る事が多くなるな」

「……」


 しぇりる? なんか微妙に反応が違うような気がするな。

 一体どうしたんだろうな。

 そんな感じに雑談をしながら俺達はプラド草原の城へとみんなを連れてきた。

 道中の畑や建築物は大体見て貰ったしこれからも発展はするだろうしな。

 近隣の狩り場とかアクセスする道とかも出来ただろうし行く先は増えた様なもんだ。

 もちろん次のディメンションウェーブイベントで更に拡張していく流れでもあるだろう。


「そんでここが城。俺は同盟関係って感じで簡単に入れる」

「じゃあ色々と紹介するわよ」

「そういや姉さん、今はそっちのギルド員扱いだけど正式にはどっちのギルドに所属するの?」

「行き来する予定よ。どうせ協力関係になるんだし」


 まあ、顔文字さんが協力してくれるし、大規模ギルドにはしない少数精鋭ギルドにするって話だったからね。


「そんじゃご対面と行きますか、俺を呼んだからって恨まないでね」

「分かってますよ。折角の出会いなんです、無意味に波風立てたりしませんよ」

「拙者、たぶん喋らないでござる」


 おい忍者、最初からコミュ障を主張はいかんぞ。

 いるよな。新しい出会いとかをした際に何も喋らず背景化する奴。

 堂々と人見知りするってのも逆に清々しい。


「……」


 で、人見知り二号のしぇりる。


「絆くん達の話だと知っている人だろうから私は気楽なところだね」


 ロミナは逆に顔が広いから助かるか。


「お? 来たかの?」


 で、城に入って集まっている顔文字さんの所に行って片手を上げて報告した。

 結構人数がそろい踏みだね。


「うん。ただいまーみんなを連れてきた」

「うむ。此度はカルミラ島の島主の絆とその姉である奏を開拓に巻き込んだ事をここに謝罪するのじゃ。誠に申し訳ないのう」


 ペコッと深々と顔文字さんは硝子達に頭を下げた。


「貴方は……なるほど。いえいえ、こちらこそ絆さんと奏さんがお世話になりました」


 硝子が丁寧に返す。


「道中で色々と話は聞いたよ。大変だったようだ。私の育てたペックルが役に立ってくれて何よりだ」


 そんでうちのギルドの商売担当のロミナが硝子のフォローに入る。


「知っておる者もいるとは思うが改めて自己紹介じゃ。わらわはこのプラド草原の領主にしてギルド、ディメンションウェーブ対策研究所のマスターじゃ。プレイヤーネームに関して自業自得じゃが多大に不満を持っておるので語尾のノジャか顔文字と呼んでくれると嬉しいのう」

「そうですか、では改めまして、箱庭硝子です。よろしくお願いしますね。顔文字さん」


 硝子と顔文字さんが自己紹介をしながら握手を交わす。

 どうやら顔見知りではあったようだ。

 まあ……俺と出会うまでは硝子も色々と活動的に動いていた訳だから前線組のトップをしていた顔文字さんとは話をしているのも当たり前か。


「あ、プギャーwwwちゃんだったんだ? やっぱりそっかー」


 おい紡、お前顔文字さんの地雷を思いっきり踏み抜いていくな。

 いちいちワラワラワラって奴まで付けるなよ。

 煽り散らかしているみたいになってるぞ。


「よ、よろしくなのじゃ。その名で呼ぶのはやめてほしいのう」


 顔文字さんがちょっとムッとしてるよ。

 しかし……よく考えると顔文字さんの一人称である「わらわ」って所も被ってしまってるんだな。

 ある意味因果なものか。


「おっす、俺はらるく、ワラの嬢ちゃんのギルドに所属してるぜ。絆の嬢ちゃんにも説明したけど趣味はクエスト探しだぜ。こっちはてりすってんだ」

「よろしくねーあんまり地で行くと絆ちゃんたちの所だと引かれちゃうからてりすそこそこのテンションで行くわね」


 で、らるくが軽く自己紹介をしてくる。

 コミュ能力高いなー。

 てりすも自重してくれて何より。

 出来れば接客モードをデフォルトにしてほしい。

 メッキが剥がれるみたいにキャピキャピなんだけどさ。

 まあ……これでも結構妥協してくれているのは分かる。

 本当はギャルって感じだし。


「よ、よろしくでござる」

「……よろしく」


 闇影としぇりるは物怖じしながら軽く挨拶した。

 なんだろう。このまま放置しておくと距離が絶対に縮まないような気もする。


「そういえば闇影の嬢ちゃんが絆の嬢ちゃんのギルド所属だったな。仲間と合流出来てよかったな」

「そうでござるな」


 ん? 闇影の物怖じが少し弱めか?


「知り合い?」

「絆殿に仲間はずれにされて死神と呼ばれてた頃に、指さす人から庇ってくれたでござるよ」

「ほー、さすが大人」


 それは好感度アップだ。

 ただでさえ顔文字さん陣営の年齢は高めなんだ。

 精神も含めてな。

 それに加えて友人を庇っていたなんて好感度上がるだろう。


「あれは色々と酷いからよ。意味もなく絡む連中に腹が立って注意したんだよ」


 まあ、らるくって結構面倒見というか卑怯な事は嫌いそうだもんな。

 なるほど闇影とも接点があったのな。

 しかし闇影と知り合えるとは相当に顔が広いな本当。


「あの頃は大変だったわねー闇影ちゃんが行方不明にならなかったらてりす達が保護しようと思ってたくらいよ」

「色々と助かったでござる」


 なるほどなーらるく達は本当、その辺り大人な対応だな。


「ま、これからよろしくな! マジで絆の嬢ちゃんは目を離すと希少なイベントを見過ごす事になるからゲームを楽しむなら凝視してねえといけねえな」

「絆さん」


 硝子が相変わらずなんですねって顔で俺を見てくる。

 ちょっと笑顔なのがまた、嬉しいのか恥ずかしいのか微妙な気分になってしまう。


「ち、違うんだ。地雷みたいに変なイベントに巻き込まれるだけで」


 そうだったロミナに呪われた武器を見てもらわないといけない。

 ただ、その前に妙な誤解をしているのを訂正しないと。


「絆さんの場合はそれで良いとは思いますよ。どうにも絆さんしか出来なさそうなイベントがあるんじゃないかってファンの方々が見つけた情報も聞いて居ます」

「なにそれ?」

「後で話しますよ」


 凄く嫌な予感しかしないぞ。

 接待ネトゲじゃないから!


「その時は絶対に教えてくれよな!」


 らるく、俺を見世物にしない。


「よろしくー」

「紡の嬢ちゃんもよろしくな」

「同じ鎌使いとして負けないよー」

「おうよ!」


 紡と同じ武器種使いだもんならるくって。


「……戦力としては紡よりらるくの方が良いな。鎌を使う奴なら」

「えーどういう意味ー?」

「人格でしょ。アンタは失言が多すぎるのよ」


 うん。紡は刹那的な楽しみを持ちすぎなのが問題なんだ。

 それならコミュ能力の高いらるくに戦闘を任せたいってね。

 ちなみにらるくは戦闘以外の工作系だとパッとしないなぁ。

 てりすと一緒に細工をしてるらしいけどあんまり本気で打ち込んでいるようには見えない。

 なんだろう? 戦闘の方が好きでお喋り好きって鎌を望む傾向でもあるのか? このゲームだと。

 まあ……良いか。

 で、残りはクレイさん達な訳だけど、ちょっと離れた所でチャットをしている。

 あれかな、外界で任せて居た配下と情報交換でもしてるんだろう。

 そう思ったら切り上げてこっちにやってきた。


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― 新着の感想 ―
[一言] おお、ついにか
[一言] いよいよかな?
[一言] もうじき対面か
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