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水晶湖


「おー……これは凄いのじゃ。下手な地上の住居より快適に過ごせそうじゃな」

「やーん。絆ちゃん凄いの持ってるわー。これも島主の特典?」

「特典なのかなー……この前のディメンションウェーブイベントの報酬で出たんだけど」

「なるほどなのじゃ。つまりわらわもいずれコレに匹敵するアイテムを入手するかもしれんって事じゃな」


 確かに、条件的に顔文字さんは手に入れる可能性がある。


「まあウサウニーカウンターみたいに反発する可能性があるから顔文字さんがこのペックルハウスに入れるか試しておいて」

「了解なのじゃ!」


 顔文字さんがペックルハウスに入って色々と確認を取る。

 どうやら反発は起こらない。


「これは……中はペックルグッズが大量じゃな!」


 家具の一つ一つがペックルをコンセプトに設置されてるからファンシーであるのは間違い無い。

 何人かで生活出来る程には設備が揃っている。ベッドもあるしキッチンも完備だ。


「水まで通ってるのね! 下手をしたら地上の住居より豪華なんじゃないかしら?」

「狭いけど浴室もあるからシャワーや風呂も入れるみたいだぞ」

「うむ。ここまで設備が揃っておるなら否定出来んぞ」

「凄いわね! 想像より豪華な生活が出来そうでてりす、期待に胸が膨らんじゃうわー!」


 燃料は……ハウスの一部に魚をエネルギーに変換する装置が置かれていて魚を一定数入れると補充される。

 実に俺向きのアイテムであるのは否定しない。

 本来は安全そうなフィールドの釣り場とかで設置してキャンプするための代物であるが、ダンジョンの水晶洞にも使えるというのはありがたい。

 ここで俺達は……まあ、15日くらい気楽に農業と釣り生活に入ることになる。


「みんな気に入った部屋を使って貰う事にして、ここを拠点に作業をするぞー」

「おー! なのじゃー!」

「おー!」


 顔文字さんとてりすのテンションが高いようで何よりだ。


「あ、本棚に日記があるわね。システムのメモとは別に使えるみたいよ」

「では今回の合宿でみんなで交換日記をするのはどうじゃ? 色々と友好を育めると思うのじゃが」


 おお、交換日記……漫画やアニメとかだとあるけど実際にするなんて無いぞ。

 いや、小学校の時に少しやったような気がするけど先生との日誌みたいなものだった気がする。


「なんか楽しそうー絆ちゃんはどう?」

「良いんじゃ無いかな? とは言っても少し恥ずかしい気もするけど」

「えー問題無いわよ。ネットで呟くのと似た感じでやってけば良いのよ」

「そうじゃな。ついでに気になった所などを書いておいてくれると助かるのじゃ」

「了解、そっちも色々とここでしか書けない事とか書いてくれたら嬉しいかな」


 まだ出会ったばかりの関係だし、いきなり交換日記とかハードル高いような気がするけど開拓仲間なんだし色々とやって行くのは良いかな。


「もちろんじゃ」

「じゃあ日記は決定として……早速、レッツフィッシング! っとする前に、顔文字さんと一緒に畑の確認を先にした方が良いかな?」

「クワで掘るのは任せて欲しいのじゃ」

「てりすは掘れそうな所を確認してくわねー」

「あいよ」


 という事で俺と顔文字さんは早速畑候補の所に来て畑の様子を確認。

 まあ、耕せるってだけでベストとはほど遠いか。

 ただ、地上よりは遙かにマシな未開拓の畑候補地って感じだな。


「まずは掘るのが優先じゃな! 何か問題はあるかのう?」

「んー……できる限り畑に空気が入るように掘るとかは当たり前にする事で、畝とかは顔文字さんも分かるよね?」

「当然なのじゃ! こう、歩いて入りやすい様にするのと柔らかい畑の部分を分けるのじゃな」

「うん」


 この辺りはさすがに農業ゲームでも当然の様に行われる作業だから顔文字さんも知っているか。


「次に土壌改良、腐葉土とか肥料を混ぜたりする奴ね」


 汚染された畑じゃないけどこの辺りの下準備はしておくにこした事は無い。


「肥料は少し持っておるが……少々心許ないのう」

「まー……この辺りは俺が魚とか確保して肥料に変換するのが良いか」


 魚粉という肥料が世の中には存在する。おそらくこのゲームにもあるだろう。

 餌とか釣りと料理技能で自作出来たりもするから。


「農業スキルを上げたらレシピにあったのじゃ!」

「あるなら問題無いか、この辺りは基礎として……次は畑の酸性度の確認」

「酸性度? そんな要素があるのかの?」

「リアルの畑だとある。肥料をやるだけじゃなくて植える作物に適した酸性度にする事も大事なんだ」


 少なくとも姉さん達がクソゲーと言っていたあのゲームには搭載されていた。

 本当、簡略化されていると喜ばしいんだけど、連作障害を再現されている所を考えるとディメンションウェーブにも施されていると考えて良いだろう。


「んむ……どうやって測れば良いのかのう?」

「リアルだと測定器で測るものだし、ゲームとかだと確認画面で見ることとか出来るけど……」

「ちょっと農業スキルで確認するのじゃ……出たぞ。pH6じゃ!」

「となると大体は安全ラインだな」


 顔文字さんはなんだかんだ農業をここでやりこんで居たのでカルミラ島で適当にやっていた俺より農業はスキルが高い。

 リアル知識では俺が勝るけどスキルは顔文字さんが上なのでこの辺りは任せるのが一番だ。

 俺が釣りをする様に。


「後は温度とか色々とあるけどそこは逐一やっていくとして、畑の下準備を始めよう!」

「おー! なのじゃー!」


 という訳で水晶洞にある畑になる部分を俺と顔文字さんは耕して肥料を投入、種を蒔くまでの作業をした。

 まずは小さな畑で実践して、後は顔文字さんに畑を耕して貰い、俺は釣り作業に入るとしよう。

 水やりは顔文字さんがスプリンクラーを持ってきて設置していた。

 この辺りは機械任せに出来るのは実にゲームっぽい要素だ。


「後は細かく温度チェックをしつつ空気と水気を確認。異変があったら農薬を適度に使って行けば良いだけだ」

「何かあったら助言を頼むのじゃ!」

「もちろん! で、俺は水晶湖にカニ籠を設置しつつ釣りをする事にする!」


 って事で早速カニ籠を水晶湖に設置……しきれないのが歯がゆい。

 さすがに在庫が尽きた。何処かで追加生産をしたい所だけど我慢。

 そんな訳で釣り糸を垂らす事にして……手始めに餌釣り、いや……何の魚が釣れるかを先に判明させてからでも遅くはないか。

 今はできる限り魚を確保してペックルの食料確保も必須な訳だし。


「フィーバールアー!」


 何が釣れるかを確認するために掛かりが良くなるフィーバールアーを使用してキャスティング!

 ボチャン! っとルアーが水晶湖に入った所で即座に魚が引っかかる!


「フィッシュ!」


 ガクッと魚が引っかかったけど……引きの強さはカルミラ島に近いか。

 ミカカゲ関連の魚にはやっぱり及ばないよなぁ。

 まあ……狩猟具のスキルに加えて再取得したフィッシングマスタリーの効果でサクサク釣り上げられる程には積んでいる訳だけど。

 この引きなら糸が切れることなく強引に釣り上げられそうだ。

 ぐいっと引き上げて釣れた魚は……黄金と緑色の縞模様の魚だ。


「イエローパーチ」


 日本じゃあんまり馴染みのない魚が釣れたぞ。

 なんだったか……ゲームプレイ前に事前に調べた魚にあった覚えがあるぞ。

 海外だと割とメジャーな魚だった気がする。

 淡水魚っぽいから生食、刺身とかは出来ないのが狩猟具とフィッシングマスタリー、料理技能の効果で分かる。

 ただフライとかにするのに良い白身の魚だと確認出来た。

 とにかくサクサク釣って行くぞー。

 と再度キャスティング!

 速攻で竿がしなって釣り上げるのに成功した。

 次に引っかかったのはイエローパーチじゃなく……。


「肺魚」


 おお……名前の通り肺で呼吸する魚だ。

 シーラカンスとは別に生きた化石に該当する種類だぞ。

 これも食用に一応なる魚だ。


「次!」


 って事でキャスティングを行い、新しい魚が釣れないか検証する。


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― 新着の感想 ―
[一言] 相も変わらずどこぞの動物の村(現在は島)並に魚の生息域のごちゃまぜ感www ところで酸性度迄図らなきゃいけないとかほんとクソゲーレベルの手間だな!!?
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