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恐竜の化石

 よし、今のうちに二個目に挑戦。

 と、二個目にドリルをゴリゴリとやっていると硝子が戻って来た。


「絆さん。二個目をやっているんですか?」

「うん。闇影が来るまでーって思ってやってた。やっぱ怒ってた?」

「いえ……部屋の外では特に物音はしませんでした。絆さんが二個目をやっていたなんて気づきませんでしたよ」

「どうやら個室から音漏れはしないみたいなんだな。何かしらの条件付けないといけないって事か」


 思えばカルミラ島の開拓時にロミナが鍛冶場でカンカンしていたけど、俺達は気にならなかったもんなー。

 騒音的な嫌がらせ対策をゲームで処理しているんだなぁ。

 逆に気づけないけどさ。


「……えっと、そういえば前に絆さんが船で寝ていた時に私たちも騒いでいましたけど起こしたりしてませんでしたね」


 ああ、懐かしいな。もう随分と前の話だな。

 紡が死の踏み切り板に落とされそうになったのと、硝子の元仲間たちとのやり取りの時だったか。


「俺が図太いとか眠りが深いから気づかなかったって可能性があったけどな」

「騒音にならない範囲なら聞こえるのかもしれませんね」


 闇影がアルトを見つけたときは船の部屋でも聞こえたからなー……本当、条件はよくわからん。

 起きているなら聞こえるって事なのかもしれない。


「闇影を起こしたなら夜釣りに行くかと思ったけど、それなら気が済むまでやっておこう」

「分かりました。じゃあこれ以上邪魔したら悪いので行きますね」

「おう」


 って感じで硝子は部屋を出て行き、俺は8個目のクリーニングが終わった頃に朝釣りに備えて就寝するために集中を解く。


「やはりというか恐竜の化石とかもあるんだな」


 なんの恐竜かはよくわからないけど頭蓋骨と首までの化石が出てきた。

 たぶん歯が鋭いので肉食恐竜だと思う。ただ、頭蓋骨の大きさからして小型だな。

 なんか他のゲームとかで見た事あるような気がするなぁ……。

 鑑定できてないけどディノニクスとかその辺りじゃないかと思う。

 何個か連結することで全部集まる感じだろう。

 こっちもロミナに渡したら何か装備にしてくれるんだろうか?

 何となくもったいない気がしてしまうなぁ……NPCへの売却額とかも気になる。

 なので試しにNPCに幾らで売れるか聞いたら恐竜の化石は3000セリンで買い取ってくれるっぽかった。

 高いような安いような……どの程度なんだろう。島主になってから扱う金額が大きいからよくわからなくなってきてしまった。

 アルトに後で確認を取るとしよう。

 化石って装備の素材に使えるって話だからプレイヤー間での売買の方が高値になるかもしれない。

 他に葉っぱの化石、アンモナイトの化石だ。

 リコプテラの化石が2個だな。

 ともかく……そこそこ楽しめる他の趣味って感じだな。


「さてと、朝釣りに備えて寝るか」


 こうして整頓を終えた俺は化石と機材をアイテムストレージに収納してベッドに入って就寝し、早朝に朝釣りへと向かったのだった。




 それから二、三日は似た感じで採掘と釣りを繰り返しロミナ達の物資調達に貢献しつつ化石を集めてクリーニングを行い物資が十分に集まった所でカルミラ島へと帰還することにした。

 紡や闇影達はその日その日でクエストを受注して色々と回っていたようだ。

 俺も時間を見て硝子に連れまわされて一定の魔物退治に参加させられたぞ。


「島に戻ってきたでござる」

「物資も集まったみたいだし、早く装備の更新したーい」

「わかっているよ。そう急かさないでくれ」


 必要分の確保が済んだ所ですぐに物は送っていたので俺たちが到着する事には既にロミナの使っている作業場の設備の拡張は済んでいたようだ。


「うん……前よりも精製することのできる素材が増えているね。より強力な素材や装備が作れるようになったのは間違いない」

「そう」


 ロミナとしぇりるが揃って作業場で作れる代物のチェックを行っている。


「絆くんたちが手に入れた素材も含めて……作れる物が多くて目移りしてしまうね。まずは何が欲しいかい?」

「新しい鎌ー!」

「新しい魔法具でござるー!」

「インゴット……鋳造お願い」


 紡と闇影としぇりるが声を上げてリクエストをする。


「はいはい。二人はそれで良いんだね。作れるものの中で良さそうなのを探しておくよ。しぇりるくんは私に鋳造をして何か作りたいみたいだね」

「そう……やりたいことがある」


 ロミナはそういうと俺と硝子へと顔を向ける。


「二人はどうするんだい? 特に絆くんはヌシ素材を手に入れているんだ。ウナギにイトウ……他にもチョコチョコと変わった素材まで手に入れてくれているからできる限り注文に応じるつもりだよ」

「まずはロミナの雪辱戦であるエンシェントドレスで良いんじゃないか?」

「そこは補修みたいなもんだから気にしなくて良いさ」


 ふむ……となると今度は何を作って貰うかなー……。


「武器を作るとして冷凍包丁より性能が高いのとか作れるのか?」

「ちょっと待ってくれ……うーん……少しばかり劣る代物になりそうだよ。ただ、解体にしても適した刃物という意味で作っても良いだろうね」


 確かになー……。


「そういえば勇魚の太刀が白鯨素材で何か作るって前に言っていたけど、どうなっているんだ?」

「ああ、そっちもあったね。ちょうど今回の鉱山で足りない素材を見つけられたよ。一応、勇魚の太刀Ⅱとか強化はしていたのだけど……大々的に強化ができるよ。白鯨の太刀<モビーディック>という名前の代物にまでなるね」

「性能は?」

「冷凍包丁より速度は落ちるけど一撃の威力は高いだろうね」

「んじゃ俺はそれで良い。エンシェントドレスがある訳だし、波の大ボス素材はそれだけ高性能なんだろうさ」


 冷凍包丁の軽い戦い方も悪くないけど、鯨を切る鯨包丁である勇魚の太刀のパワーアップも悪くない。

 片手剣が冷凍包丁とするなら大剣が鯨包丁って感じだ。

 白鯨の太刀って奴でブラッドフラワーを使ったらエフェクトもやっぱり派手になるのかな?


「そうそう、料理をする時のお供として鉄の牛刀も出してついでに渡してくれ、魔法鉄の熱牛刀に強化しておくよ」

「切ったその場で肉が焼けそうな名前でござるな」

「その辺りは解体時に設定すれば焼かずに捌けるぞ?」

「そうなのでござる?」


 実はそういった効果もある。属性武器の性能故に使えないってのをある程度は補正できるわけだな。

 ともかく、料理によく使っていた鉄の牛刀もロミナに渡してっと。


「俺の装備は十分だから残りのヌシ素材はみんなに使ってほしい所だ。もちろん釣り具とかにしてくれるなら万々歳だけど端材で作れるみたいだし……」


 本格的に釣り竿の強化とかできるならしたい。


「じゃあどうしようかね。しぇりるくんの銛は既に強化済みだし硝子くんのも十分……そろそろ闇影くんの装備に手を付けようか」

「河童装備があるじゃん」


 着ぐるみだけど闇影の新たな象徴となりえる装備だ。


「その喧嘩買うでござるよ!」

「冗談だって、そうだな……闇影に何か作って貰うのは良さそうだ。何が作れそう?」

「オレイカルスターファイアブレスレットが突き抜けて強力な代物だからねー」

「これはアクセサリーでござる!」


 ああ、すっかり忘れてたけど闇影が使っているのはブレイブペックルに作って貰ったぶっ壊れアクセサリーだったっけ。

 武器だと勘違いできるくらいに闇影の攻撃力を引き上げてくれている。


「そうだったね。そもそもブレイブペックルのストレスゲージに気を付けて貰えば複数確保できるのだからみんなの分を作らせるのが良いだろうね」

「まだ型落ちしてないのか」

「一応同程度のアクセサリーは作れるようになってきているさ。闇影くんにはミラカシリーズを装備して貰っているからね……手甲型の杖装備が闇影くんの好みだから……魚鬼手甲というのが作れるね。それと魚鬼の忍び装束辺りでどうだい?」

「魚鬼って事は硝子が引っかけたヌシ素材だよな……硝子、良いのか?」


 むしろ引っかけた硝子の装備品にしてもらえたら良いと思ってた。


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― 新着の感想 ―
[一言] あの名前長いやつまだ使えたんだ
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