表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

沢木先生お題シリーズ

苦い酒(四百文字お題小説)

作者: 神村 律子

沢木先生のお題に基づくお話です。


「苦い酒」をお借りしました。

 時に西暦二千☓☓年、経済大国の面影など微塵もなくなってしまった日本には、恐るべき法律が施行されていた。


 禁酒法。


 以降の歴史家が口を揃えて批判する事になる史上最低の悪法である。


 それによってアルコール類の製造販売が全面的に禁止され、違反者は重罰に処せられた。


 最高刑は当初は懲役三十年だったが、手口が巧妙化したため死刑が追加された。


 さすがに違反者は激減したが、それでも皆無とはならなかった。


「いいのがあるんだけどどうだい?」


 今日も地下にある秘密クラブでアルコール類が販売されていた。


 売人が客達に声をかける。


「ちょっと試させてくれ」


 一人の男が言った。


「ほいよ」


 売人は盃に僅かに注いだ液体を差し出した。


 やや黄ばんでいてツンと鼻を突く臭いがする。


 男は引っ手繰るように取り、口に運んだ。


「これ苦いぞ!」


 男が怒鳴った。


「味は保証できないが、間違いなくアルコールだぜ」


 売人はニヤリとして後ろ手にヘアトニックの瓶を隠した。

よくある話でした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 苦い酒のお題からSFが来るとは思いませんでした。 それは確かに苦いかも。 でもアルコールには間違いないですね。 いつの時代にも? どの世界にも便乗してもうけようとする悪い輩がいるもんです。…
2012/01/26 22:38 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ