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エッセイのような、雑感

「かかわらず」は関わっているけれど

作者: 永井 華子
掲載日:2026/01/18

※noteにも同じものを掲載しております。

 文と文を逆接の意味でつなぐ「〇〇にもかかわらず」という表現は、「関わらず」と表記されていることが多い。


 あまりにも多いので、いつかは認められてしまうのかもしれないけれども、厳密にはこれは間違いである。少なくとも現在のところは。


 正しくは「拘らず」と書く。「拘わらず」と書かれることもある。また、「こだわらず」とも読める。


 この「こだわらず」という読みからわかるように、「拘る」は、『とらわれる』、『縛られる』の意味あいがある。

 それを否定する「かかわらず」は、「〇〇に関わっているけれども、それには[こだわる]、[とらわれる]、[縛られる]ことなく」という流れで使用する語である。


「拘」の字は中学校で学習する常用漢字であるが、読みは「コウ」しか習わない。訓読みの「かかわ」は常用外の読みとなっている。

 そのため私は校正の仕事において、「関わらず」にはすべて「ヒラク(ひらがなで書く)」の赤字を入れる。時間があるときには、「拘らず」と「常用外の読み」と隣に書き入れる。


 私の仕事は、著者の意向よりも正確な表記を優先するものがほとんどであるので、この対応になるのだが、「関わらず」を見る機会はとても多い。


 言葉は変化していくもので、「新しい」は本来「あらたしい」と読んでいたとか、「二の腕」は「一の腕」だったとか、有名な変化の事例もたくさんあることは知っている。

 けれども、意味が逆になってしまう変化が目の前で起こっているのは、どうにももやもやしてしまう。


「かかわらず」には、「〇〇に関わっているけれども」という意味が含まれているにも拘らず、「関わらず」が認められる日は近いのだろうか。


※「関係なく」の意味の「かかわらず」は「関わらず」です。(例 晴雨に関わらず開催します)関わっていないので。

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