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作っちゃえ、ぼくたちのためのギルド。イケてるギルドマスターのためのギルド選挙戦(泣いて笑って雨が止む)〜君の夢が輝ける未来に〜

作者: 水然天

異世界である。

新たな生命として転生し

俺は青年になった。


ギルドマスター候補者の選挙戦を

情報思念体を通じて見ていた

弟のミスラスと、

親父のボルドールが

そろそろ選挙戦のアナウンスに飽き始めた頃、

母ちゃんが作ったカルボナーラ風の夕飯の匂いで

お腹が空いていることに気づかされた。

しっかりと食べて、明日も頑張らないと。


来年隣町の公爵家の7女のミリフィールと

結婚をする予定で、俺は貯金を増やすために

副業で夜勤のシフトをコンビニで入れてもらって

昼間はマルノウティルースで会社員。夜はコンビニでバイトの店番を器用にこなしている。


最近、俺の周りでもダブルワークが流行りつつある。

一人でとことん働いて稼ごうという人種である。

仕事も。暇して情報思念体を見てるのも。

どちらも起きて活動してるっていう意味では、

たいして変わらない。


ぼけっとしててもいいことないって

今の若いものはふと気づいたのである。


ギルドの中で働き方の改革って、

そもそも何という気もする。

働けるときに働いて、

自分の時間は別に確保して

しっかりと充実した

生活に振り切りたい。


彼女と一緒に、ギルドマスターの

選挙に行ってみたけど

どの人が何してるのか。自分の思ったことを

してくれるのか。真剣に考えてみたけど

どの人もしっくりこないし、自分のためには

まったく役立たずばかりだと残念な気持ちになった。


それなら、いっそのこと、

もう誰のためとかじゃなく。


働ける人が頭を働かせて、

しっかりと稼げる世の中に

してもらいたいと思い始めた。


ジャパミール国は、働ける場所じゃなくなったと思う。

友達たちは、こぞって海外の免状で

他のギルドに働きに出て

稼げるって言って、しばらく帰ってこない。

ジャパミール国は、無駄が多いっていうけど。


そもそも、何にもしないで上手くいこうって

気持ちの人が多すぎる気がする。


楽に、稼げて、何もしなくても良いギルドで

働きたいって、元バスケティアラルース部で

イケメンの親友の左馬ノ介が言ってたけど。

まさに、うちの親父さんは、

楽で稼げて、何もしなくても

ギルドの中で毎日ぶらぶらしているらしい。


親父は、夢が叶ったんだろうけど

どうなのって思う。


そんなの夢見てるのは嫌だし

バカンスの街で有名な光輝く

ドゥパーミルス国に行ってみたい!って。

最近は思うようになった。


ジャパミール国は、

古くからワイバーンの生産地として

バンバン、全ワールドに騎乗用ワイバーンを

供給してたときのように

全ワールドにその力を広めていけてたときは

いいけど。いまは世界中からみて

いけてない人ばっかりになってる。


ジャパミールのギルドを経営できる

新進気鋭の集団が

どこからかやって来ないかと

ふと思ったけど。


もう、待っててもいつまで経っても

誰もやってこない。


そうだ。

自分自身で、人を集めて、

経営できる人を立てて、

ジャパミールを建て直しするしかない。

これが一番の解決方法じゃないかと

我ながら、やるじゃないかと感心した。


ひとを集めるには、宣伝がいるよねって

ことで、ユアルチュービルでユアルチューバーに

なって、人を集めてみることにした。


毎日ギルドの情報思念体に

動画をアップしてみたけど。

面白くもない動画が、量産されていく。

ああ、こんな、はずじゃなかった。


夜のバイトもこなしてるから、

睡眠時間削って、動画編集してるから、

あっという間に、目の下はクマだらけで

みすぼらしい感じに、5歳は老けて見える

感じになってしまった。


動画は、通勤のワイバーンの上で

ひたすらしゃべり続けるんだけど。

外部に音漏れしないマイク付き防音マスク型軽量

ヘルムのおかげで

ワイバーンに搭乗中でも

配信が可能になっている。

周りからみたら、何してるかわからないだろう。


とにかく、1000人くらいは

話を聞いてくれる人は出てきた。

常連さんとチャットに対して音声で返事をかえす

スタイルである。


ジャパミール国で、

何が足かせになってるのか。


田舎の地域に何が足りないのか。

とにかく議論をしまくった。


帝国などの主要国家の中で

半歩先を歩いていくには

周りの様子をしっかりみてないと

上手くギルドを経営することはできない。


事務的なことは

事務屋に任せるにしても

ジャパミール国で作れるものを使って

海外の人を喜ばせられるかを

話合っている。


そんなこんなで、

このひとなら小さな農村でだったら

ギルドの経営を建て直せるって

スキルを持った人が現れはじめた。


ある人を推薦して、情報思念体のネットワークを

駆使して、ギルドマスター選挙に出てもらった。


少ない人数でも当選できるところを

見つけ出して、村長兼ギルドマスターに

なってもらった。


滑り出しとしては上手くいったと思う。

ここからは経営を成功させるターンである。


ブレーンを招き入れ、着実に積極的なチャレンジで

失敗を続けながらも、おぼろげながら

勝ち筋がみえてきた。


町全体で稼げる形ができあがってきた。

CPUの回路設計のような要領で

仕組みが完成し、町が工場のようになって

魔素を搭載した魔道具で利益を生み出しはじめた。


ギルドマスターの選挙に行こう。

で、どこに行っても、このひとならと言える。

絶対に選びたくなるといえる候補者がいない。

この問題は、解消された。


ダブルワークで、仕事に真剣に向き合う毎日に

舞い戻った。


でも、今も配信は続けている。

無いなら作ればいい。

失敗したっていいし。なんだっていい。


やるだけやってみても

悪いことじゃない。


もう不平不満でぐちってる日々からは遠ざかったと

思う。


ーー自分自身の失敗に、嘆くことはあっても。





追伸


 異世界歴100年後、ギルドマスターへの寄付金は、全ワールドで一元化した受付窓口で一度受け取ってから、公平に、すべての選挙の立候補者に一律同額で配られる仕組みができあがった。一党独裁とは言わずとも

どこかの有力ギルドに対しての有利な仕組みが

間違っていることがわかった。


がむしゃらに、やり遂げてみるってのも悪くなかった。

そして、異世界での楽しかった人生が幕を閉じたーー。


また、伝説が生まれた。











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