人型異生物保護管理機構のお仕事

紫峰灯、恋人なし、友達少し、無趣味でひきこもりがち。そんな彼女はとある事情から一心不乱に仕事にかまけていた。ある日の会社からの帰り道、灯はストーカーに襲われていた美しい青年を助ける。
灯が助けた青年、潮木大河は人懐っこいゆるふわで浮気性な同性愛者。衝撃的な出会いから、灯と大河が親友と呼べる関係になるまで時間はかからなかった。
大河の兄で歪んだブラコンを突き通す海洋生物学者の潮木流星は、弟と仲のいい灯に目をつけ、騙すかたちで自分の仕事の助手になるよう仕向ける。その仕事というのは「人型異生物保護管理機構」、通称「異保管」の雑務手伝い。さまざまな特性を持った人間に似た人間ではない生き物――異人の生態を守るという秘密裏の仕事だった。

灯は流星の思惑通りに彼の助手という立場に収まり、同じく異保管に所属する絶世の美貌を持ったオネエの人魚、ネルと知り合う。そして、潮木兄弟とネルとともに人魚の誘拐事件の捜査をすることに。
しかし、流星から灯に課せられたのは異保管の仕事だけではなかった。流星は灯が金銭的に困っていることを知っていて、助ける引き合いに「弟と人魚が恋に落ちるのをとめてくれ」と願い出る。