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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

未完結のコメディ3

着衣ロリの必殺技まとめ

作者: にゃ~

「弱さが何かの助けになると言うのなら……」


 のどかな草っ原の上に浮かぶには似合わない、分厚く透明な膜に包まれた、すばらしい破壊エネルギー。

 破砕を封じ込めた水晶玉にも似た「破壊球」は、細かい水の泡立ちを引き連れて、今にも高く飛び立とうとしているようだ。


 そこに、裸の足が、草を踏み分けて破壊球へと歩み寄っていく。途端に破壊球は宙を滑って、より高い位置で差し出された手のひらへと収まっていく。


 破壊球は手のひらから手首、細く美しい腕、肩から胸へ、胸から肩へと転がって通過していって、最終的に左手の下で回転浮遊する暮らしとなった。


 破壊球を見おろした瞳が激しく眩く色を変え続け、両耳のアングレカムの花があおりを受けて僅かな色を肌に映す。

 長い髪の先は波打つようにうねり、幼い娘子の柔肌を隠すものは袖無しのインバネス以外には何もない。


 小さな妖精は一息に破壊球を握り潰すと、ふわりと両手を緩やかに広げて、無数の浮遊回転破壊球を、胸前の空にずらりと並べた。


「その舌を切り落としましょう!」


 彼女は"ロリシィ"レーギャルン。

 「幼い妖精」の異名を持つ、悪を愛する魔法使い。

破壊球(ブラックボール)破壊球(ブレイキング)インパクト】

「恐怖!第3番惑星ギタギタ作戦!」より


 炭素カーボン膜の翼を広げ、鋼鉄龍(フルメタルドラゴン)おとこが空高く飛び立った。

 晴れ渡った荒野に、乾いた風が吹き抜ける。


「お~っほほほ! 無駄だずら! 貧弱な人間の柔ハダで、ボク様の鋼のウロコは貫けにぇ──ずら~っ!」


 鋼鉄のワニ顔マスクが凶悪な笑みに歪む。地球粉々破壊爆弾の起動スイッチは、未だ彼の体内に収まったままだ。

 爆弾起動トリプロンエンジンの充電満タン時間は、あと僅か。次の一撃で確実に仕止めなければ、遥か遠い小さな惑星に未来は無い。


 裸のロリは両手の間に、小さな破壊球を作り出した。「……未完成ですが、これで!」


「ばほははは! そんな小さなエネルギー弾の1発で何が出来るずらか~!? 万策尽きたなら、黙って指くわえて見てるずら~!」

「トリプルハドロン粒子、稼動全開! 死ねずら、オマエに星は救えない~!」


 ぱん、と無数の最強粒子トリプルハドロンが玉花火と弾け、雄叫びをあげて龍おとこが突撃する。

 彼の眼前で粒子は赤くまとまり、巨大な宝石のように体当たりの攻撃面を覆った。


 高濃度粒子をまとった、それは攻撃だけでなく、触れる全てを押し潰す盾だった。


 加速式超圧殺巨大盾を前にして、ロリは両手を突き出して、小さな破壊球を発射する。

 しかし、破壊球はルビーの壁に飲み込まれて、完全に溶けて、姿を消した。


「──勝った! 死ねずら~!」


 突進途中に勝利を確信。ゆえに赤い隕石は、単調な軌道で堕ちてゆく。

 「──ハッ!」両目を眩くビカつかせて、長い髪をなびかせたロリが跳ぶ。


 空中で裸の膝が引き絞られるのを見て、龍おとこは「ヤケを起こしたか」と、希望的に観測した。そして、


 ──バリバリバリィイッ!


 鋼鉄の体を突き破り、爆弾の起動スイッチが、突き出された両足に引き千切られた。


「!? ぐぇえええ……っ!」


 赤い壁など、あっけなくパリンと割られた。多分、先の破壊球の仕業だろう。

 しかし、さっきまではロリの肌で殴ろうが蹴ろうが、鋼の装甲に有効打は無かったはず。


「こ、この……物語を強制的に終わらせにかかる、絶大な威力は一体!? ぐえっ、このパワ~!」


 バキン! と、最後の欠片が蹴り潰され、龍の断末魔が空をかく。

 龍おとこは首と四肢を残し、あとは粉となって驚愕のままに生涯を終えた。


「ぐえ~! 天才マグナフに、勝利あれぇええーっ!」

「うぎゃあああああ~っ!」


 石砂利へと片膝をついて着地したロリの、背後空中で爆炎があがる。

 遠く地球破壊爆弾も、生命連動リンクにより、実体を保てずに消滅した。


【破壊球メッタ打ち→天墜・生者必滅】

「溶岩!怨念マグナフ最後の日!」より


 狂った怨念により、マグナフシュタインは自身を体温7000万度の溶岩魔人に改造したのだ。


「おのれ~! 許さん、小娘めが! 許さなぁ──い!」


 岩の顔をワナつかせ、灼熱の巨体が持ち上がる。小さな破壊球の対策は簡単。ただ球の効果が追いつかないほどクソデカくなればよい。

 だのにロリはバカのひとつ覚えか、破壊球を作って投げ出した。


「えーい!」

「効かんというのが分からぬか、バカめっ。きさまは昔からアホのくせに邪魔ばかりはしおって! 死んでしまえっ!」


 博士の巨体は、何度も何度も破壊球に殴られる。

 だが、ドロドロの溶岩ボディは、抉られたそばから溶け出して、欠けた箇所を修復する。


「改造したクソバカどもは、勝利を確信した瞬間に死んできたが……わしはそんなアホではない! きさまを踏み潰して死体を確認してから、よーやく警戒を解く用心深さを見せてやるのだわい!」

「それっ! 溶岩スターンプ!」


 ぐおおっ! 迫り来る圧殺溶岩フットスタンプ。ロリは瞬時に移動して、マグナフの遥か頭上へと破壊球と共に浮かぶ。

 マグナフは頭を振り上げて、


「見えておるぞっ! な、何だあっ!?」


 破壊球が、ありえない程クソデカく膨れ上がっているのに、今ごろになって気がついた。


「マグナフ! この破壊球の効果は"破壊"ではありません……"吸収"です!」

「際限なく再生する岩の体を吸い取って、無限に威力を底上げたのです」

「そうだったのか! して、やられたわ!」


 今や頭上にある破壊球は、マグナフの巨体を飲み込み、充分に"即死"効果を与えられるサイズだ。

 当たり前だが、別に勝利を確信しようが、敗北を悟ろうが、勝敗の結果を定めるわけではない。


 ロリが手刀を振り下ろすと、天体サイズの破壊球は、ゆっくりとマグナフへ迫っていった。

 さながらそれは、ボール型の処刑ギロチンだ。


 マグナフが岩の顔を振り上げて吠える。


「わ、わしの宇宙征服が! あらゆる人格を支配して、凌辱と罵倒のすえ未来永劫完全に消滅させる夢と希望があ~! わぁああああ~!」


 特大消滅ボールに飲み込まれ、邪悪な博士は滅び去った……。

 その威力と彼自身の欲求が混ざり溶け合ったため、彼の存在や歴史、未来どころか過去や魂さえもが砕けて、消えた。


 完全消滅である。


【フライングロリシーパンチ】

「奇っ怪!恐怖の殺人ロボ!」より


 カン高い音を立てて、胸部砲口「ギガロン・ボレー」がチャージされてゆく。

 両手のブレードとクローは破損したが、メカ武装殺人ロボの武器は名前の通り、まだまだ沢山あるのだ。


 服もズタズタになり、ボロボロに焦げ跡のついたロリは、剥き出しの両手をメカ武装へと差し出した。

 「急激な力の上昇を確認」……メカ武装の「ウルトラ天才☆殺人向けCPU」が、無機質なガイダンスボイスで告げる。瞬時に24000通りの殺害方法を思いつくコンピューターの警告を、メカ武装は聞き流した。


 バカめ。心ない機械に何が分かるっ。既に拳による魂の対話は終わったのだ。

 あの女にボレーを止める余力などない。逆にマシンパワーで押し潰してやるわ!


 そんなふうに考えたメカ武装に、千切れ飛ばされた両手が降りかかった。


「な……何っ。う、動けん!」


 腕は水となって機械の体に巻きつき、動きを止める。やがて、巻きつく渦は玉となって、完全にメカ武装の体を包み込んだ。


「ま、まずい! チャージを──ごあああああーっ!」


 チャージを中断したために、砲口が暴走し、爆発して破損する。

 生ける屍と化したメカ武装へ、ロリは両腕を再生、跳躍して拳を引いた。


「どおーっ! ロリシィ! パーンチ!」

「何のっ! ブレード・シールド!」


 水に包まれて浮き足立つ中でも、メカ武装はサッと右腕を動かす。が、


「(あっ。ブレード、壊れてた……)」


 かつては立派な刀身を誇った根元を掲げて、メカ武装は突き刺さる拳に身を歪めた。


 ──ドゴォオオオン! 断末魔の爆炎。

 メカ武装は危険な殺人活動を、一時ばかり休止した。


【ボルテールシャッター→高威力ハイドロヘリックス(追憶のフルカノン)】

「放て!必殺の極太ビーム!」より


「死ね~! 愚かな原住民よ!」


 そして、回転を止めたビッグ好戦的ユーフォーから、イナズマ熱線が放たれた!

 当たれば星をも砕く、高威力の弾丸に、ロリは降参するかのように両手を持ち上げ、目一杯に広げる。


「ぐるぐるバーリア!」


 ──ドゴォオン!

 いや違う! ロリの前ではられた渦のバリアは、イナズマ弾丸を容易く防ぎ、弾き散らした!


 すぐにロリはバリアを投げ捨てて、振り戻した両手を円盤へと向ける。

 円盤ユーフォーは驚愕した。今の必殺技をかわしこそすれ、防ぎ耐えた者など、宇宙のどこにも居なかったからだ。


 ロリの両手が合わさり、三角の空洞を作り出す。神秘の三角ピラミッド・パワーが作用して、ナイル川の波濤が呼び起こされた!


「ぐるぐるビーム!」

「ごわああああ~っ! 宇宙を飛び交うオーバーテクノロジーの未確認飛行物体でも、さすがに水害には勝てん~!」


 渦巻く水の極太ビームは、まさにワニ型ウォーターによる自然力のデスロール!

 この怒涛の鉄砲水を受けたものは、いくら泳ぎが得意な者でも爆発して死んでしまう。川は怖い! 皆も暑いからといって、川遊びする時は気をつけて遊ぶこと!


「うわ~! も、もう駄目だ~!」


 ──ボカァアアン! ズドドドド……!

 恐ろしいことにビームはユーフォーを破壊してなお、辺りの地形へ伸び立ち飲み込み、敵という敵を削り殺した。


【ロリシーキック】

「恐怖!宇宙の上忍ザメ!」より


「うわ~! こんなハズがあるかっ。オレは無敵上忍、鮫ニンジャーグだあ──っ!」


 背ビレ損壊、腕のヒレ破損。全身に殴打キズを負ったニンジャーグが、空中で吠える。

 彼にとっては体の痛みより何より、自身のスピードを上回られたことがショックだったのだ。


 シャキン! 彼は鮫なので、ヒレを失ったら新しい刀ヒレが生え変わる。

 ギラリと腕の刃をキラめかせると、ニンジャーグは地上のロリへ向かって急降下、己の全てをかけて突進した。


「くたばれメスガキぃいいい~っ!」

「トォーッ! ロリシィ! キィーック!」


 ドゴォオオオン! 空中で轟音と衝撃が発生し、あまりの威力に虹が丸く浮かび上がる。

 あわれニンジャーグは空中で半身を失い、ニンジャ爆滅炎を噴き上げて、怒りの断末魔を雄叫んだ。


「おのれ──っ! 人間ごときがあ~っ! わあああ……!」


【分裂破壊球】

「セコいぞ!優しいシスターは甘いワナ!」より


 必殺武器のマシンガンとロングバレル・ガトリングランチャー砲を失い、両袖もボロボロになった。

 シスター服も八つ裂きにされて、ただでさえスリットまみれだったのが、さらに生足を剥き出しに晒した。


「ぐヴッ。許さん! 許さんぞ~……! あぶブブ」


 無数の焦げ跡と血の泡を吹き、しかしガトリング悪女は止まらない。

 返り血色の長い髪に、同じ色のシスター服。その化け姿に誓ったのは、己の前身マジンガイザダンの復讐のため!


「このおれ様が! きさまのような小娘に! 二度も敗北を喫するなど!」


 カギ爪のように両手を開き、赤黒い「不徳(ゾドム)のツメ」をオーラに纏う。

 生まれ変わった人間の体には猛毒だが、怒りに満ちた悪女は、気合いと根性でマリオネットを動かした。


「ガブッ! ……あって良いハズが! 無いのだあ~っ!」

「ううっ──あっ!?」


 ズバァアッ! ロリの体は2つに裂かれた。あっけない幕切れに、ガトリング悪女は笑い転げた。


「やった……! やったぞ! 勝ったのだ!」

「この世は魔神の天下だァ──ッ。血と暴力と恐怖に満ちた、すばらしい魔の世界を実現してやるゥ──ッ」


 早めの勝利宣言に、悪女は泣いた。嬉しさのあまりに身震いもした……。

 そして悪女は、たった今引き裂いた犠牲者がブッ飛んでった方角……背中から、凶悪な破壊球を2つもぶっつけられた。


「な──!? ガフッ!」


 がくん、と足が止まり、血を吐いて崩れそうになるガトリング悪女。

 その後ろに、2人に分身したロリが、それぞれ両手で破壊球を悪女へと押しつけていた。


「ごほっ……このっ、死に損ないがァ──っ!」


 赤黒い「背徳(ゴモラ)の風」を腕にまとわせて振るい、ロリどもを追い払い、周囲の地面を死なせるガトリング悪女。

 地面が死んでグズグズに腐敗したので、必然的にロリは空中から攻めることにした。空を蹴って宙に舞う、2人のロリ。


「かかって来い! きさまらなどが、束になっても滅びはせんぞーっ!」


 ドガァン、ドゴン! なるほど、挟みうちのサンドイッチプレスに、悪女は両腕のガードで耐えている。

 どころか、腕を跳ね上げて両者を弾き飛ばそうとする始末。ロリ達は互いに目で合図した。


「ロリシィ! ワタシと同一人物である、あなたが再び合体すれば!」

「そうです! パワーが2人分で計算されて、同キャラボーナスで威力が2乗となる!」

「何をワケの分からぬことを! 共に死んでしまえいっ。ガハッ!」


 悪女が血を吐きながら気合いを入れて、ロリどもを上に跳ね上げる。

 ロリ達は空中で1体化し、


「ロリシィ! ダブルキィーック!」

「何だと! ぐお~っ!」


 悪鬼の魔神は踏み潰されて、再び塵となって消えた。

「──終わりです!」


 ドゴォオオンンン……! 轟音を立てて、古代城の崩れ壁に、長い髪を振り乱した娘の両足が突き刺さる。


 ぽつぽつと草を生やした、擦り切れた石畳の上で、いくつかの泡の玉を連れた破壊球が浮かび立ち、時と共に数を増していく。

 す、と音もなく着地した裸の足が、軽やかに破壊球の群れへと跳ね寄る。


 くるりと反転したロリは、全ての破壊球を弾き消し、躍りを締めるように腕を持ち上げて、微笑んだ。


 そして、明度を落とした瞳を瞑り、可愛らしく首をかしげて一言、


「──さ、次いきましょうか!」

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