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眠り王子と眠らず姫

作者: 鮪之猫缶

 むかしむかし、あるところに眠れないお姫様がいました。お姫様は国で一番の腕利きのお医者様が作った眠り薬を飲もうとも、国で一番有名な魔法使いの眠りの魔法でさえお姫様を寝せることはできませんでした。そのため小さな頃からぐっすりと一度も起きずに寝たことがないのです。お姫様の口癖は「頭が痛い」でした。王様とお妃様はいつも悩んでいました。


 一方、その頃隣の国には眠り過ぎてしまう王子様がいました。一日の半分より多い時間を寝て過ごし、使用人さえ王子の姿はあまり見たことがありませんでした。王子はたくさん寝ても寝足りないらしく、いつも眠そうでした。王様とお妃様はいつも悩んでいました。


ある暖かい日のお昼、お姫様はお友達と一緒にお庭で遊んでおりました。暖かな柔らかい風が吹き、おひさまはお姫様とお友達をぽかぽかと優しく照らしました。


ふと気がつくとお姫様は暗い暗い森の中にいました。大きな木がいっぱいあってお城が何処にあるのかすらわかりません。大きな声でお嬢様は叫びました。

「誰か〜!いないのー?道に迷っちゃったの助けてちょうだい!」

たくさん歩いてたくさん叫びました。さっきまでお姫様を照らしていたおひさまはもうお家に帰ろうとしていて、お月様がお仕事を始める時間になっています。

「おひさま!帰らないで!私をまだ照らしてよ!うわーーーーん!」

暗い暗い森の中で一人お姫様は泣いてしまいました。そんな時、

「そこに誰かいるのかい?道がわからないなら私が教えてあげよう」

と、きれいな金髪の王子様が立っていました。お姫様は王子様に一目惚れしてしまいました。

「可哀想に。足を怪我しているね。すぐそこに僕のお城があるんだ。手当してあげる」

そう言って王子様はお姫様を横抱きにして自分のお城へ連れて行ってお姫様を手当してあげました。するとどうでしょう。さっきまで痛かった足の痛みが消えていました。

「今日は手当してくれてありがとう!あの、、、あなたのお名前は?」

「僕の名前は◯△□%&#$!&$?・・・」



「お嬢様、お嬢様、起きてください。こんなところで寝ていたら風邪を引きますよ」

お姫様はメイドさんに起こされたみたいです。

「珍しくぐっすりと寝ていらしたみたいですね。いい夢が見られましたか?」

「いい夢どころじゃないわ!とっても素敵な夢を見たの!」

話を聞いたメイドはすぐに王様とお妃様に報告しました。


「お父様!お母様!とても素敵な夢を見たんだ!僕があるきれいなお姫様を助ける夢だったんだ」

そう話す王子様は今までで一番楽しそうな顔で少しも眠そうではありませんでした。




数年後、お姫様は隣の国の王子様に会いに行くことになりました。でも、お姫様は全然楽しそうではありません。

「お父様!言ったじゃない!私はあの時に夢で見た王子様としか結婚したくないって」

「まぁまぁ、今日は会うだけだからな?」

「いやよ!結婚させるようだったら私はお父様と縁を切るからね!」

しばらくして馬車は隣の国のお城に着きました。お出迎えしてくれたのは隣の国の王様とお妃様、そして王子様と執事とメイドたちです。お姫様と王子様はお互いの顔を見て言いました。

「「あっ!あの夢のときの!」」

そう、今日会う王子様はあのときの夢に出てきた王子様だったのです。

それからお姫様と王子様は結婚して幸せに暮らしましたとさ。

そうそう、ふたりとも眠りすぎることも、眠らなすぎることも無くなったそうですよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 夢の中で運命の出会いを果たしたのですね!
2024/01/06 16:02 退会済み
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