【連載版】結婚の約束をした幼馴染と再会しましたが、陽キャになりすぎていて近寄れません。
子供の頃の「いつか○○と結婚する」といった約束は、得てして守られないものである。大抵の場合、そういうものは幻想であり、いつの間にか別に好きな人ができるというのが普通であるだろう。無論、例外はあるのかもしれないが、少なくともそれが自分に適用されないことだけはわかっている。
引っ越しによって別れる際、俺は幼馴染である由佳とそんな約束をした。
だが、それから彼女とは一言も話していない。連絡先すら知らなかったため、その約束は決して果たすことができない約束になったのだ。
そんな由佳と再会したのは、俺が高校に進学した時だった。
色々とあってかつて暮らした町に帰って来た俺は、入学式で彼女の姿を認識したのだ。
しかし、由佳は俺が知っていた頃とは大きく変わっていた。年月を経て成長することは当然のことではあるのだが、ピンク色の髪や着崩すされた制服は、彼女が俺とは違う世界の住人になったことを表していた。
だから、俺は彼女に近づかなかった。
今更再会して、いいことはない。そう思っていたからである。
それから一年が経った頃、俺は由佳と同じクラスになった。
その際、由佳は驚くべき反応をしてきた。
「ろーくん?」
「……」
「ろーくんだよね?」
そうやって俺との再会を喜ぶ由佳は、昔とちっとも変わっていなかった。
見た目は派手になったが、彼女はあの時の由佳のままだったのである。
だが、俺の方はあの頃とは大きく変わっていた。外見ではなく中身が、すっかりと捻くれてしまったのだ。
こんな俺と仲良くしても、いいことなんてない。
そう思った俺は、由佳を拒絶するのだった。
しかし、由佳はそんな俺に対してぐいぐい迫ってくる。
彼女の中では、俺はあの頃の俺と変わらないらしい。
※この作品は「カクヨム」にも掲載しています。
※以前短編で投稿した作品の連載版となります。第1話から第9話までは短編版と同じ内容ですので、短編版を読んでくださった方は第9.5話からお楽しみください。
引っ越しによって別れる際、俺は幼馴染である由佳とそんな約束をした。
だが、それから彼女とは一言も話していない。連絡先すら知らなかったため、その約束は決して果たすことができない約束になったのだ。
そんな由佳と再会したのは、俺が高校に進学した時だった。
色々とあってかつて暮らした町に帰って来た俺は、入学式で彼女の姿を認識したのだ。
しかし、由佳は俺が知っていた頃とは大きく変わっていた。年月を経て成長することは当然のことではあるのだが、ピンク色の髪や着崩すされた制服は、彼女が俺とは違う世界の住人になったことを表していた。
だから、俺は彼女に近づかなかった。
今更再会して、いいことはない。そう思っていたからである。
それから一年が経った頃、俺は由佳と同じクラスになった。
その際、由佳は驚くべき反応をしてきた。
「ろーくん?」
「……」
「ろーくんだよね?」
そうやって俺との再会を喜ぶ由佳は、昔とちっとも変わっていなかった。
見た目は派手になったが、彼女はあの時の由佳のままだったのである。
だが、俺の方はあの頃とは大きく変わっていた。外見ではなく中身が、すっかりと捻くれてしまったのだ。
こんな俺と仲良くしても、いいことなんてない。
そう思った俺は、由佳を拒絶するのだった。
しかし、由佳はそんな俺に対してぐいぐい迫ってくる。
彼女の中では、俺はあの頃の俺と変わらないらしい。
※この作品は「カクヨム」にも掲載しています。
※以前短編で投稿した作品の連載版となります。第1話から第9話までは短編版と同じ内容ですので、短編版を読んでくださった方は第9.5話からお楽しみください。
33.将来の夢なんて俺にはないと思っていた。
2023/11/09 20:00
34.俺は自分の早とちりを悔やんだ。
2023/11/10 20:00
35.今回の件は適材適所ということだったのかもしれない。
2023/11/11 20:00
36.改めて聞かされると込み上げてくるものがある。
2023/11/12 20:00
37.これからしっかりとこの行事の思い出を作るとしよう。
2023/11/13 20:00
38.我ながら単純過ぎる思考回路だ。
2023/11/14 20:00
冬休み編
1.それは我が家にはない文化である。
2023/12/22 20:00
2.毎度のことながら俺はイベント事に関わりがなかった。
2023/12/23 20:00
3.この場合何を歌えばいいのかがわからない。
2023/12/24 20:00
4.俺達はプレゼント交換をした。
2023/12/25 20:00
5.こたつというものはとても魅力的なものだ。
2023/12/26 20:00
6.どうやら夜中にかなり雪が降ったらしい。
2023/12/27 20:00
7.俺は両親と一緒に彼女の家にお邪魔している。
2023/12/28 20:00
8.今年はたくさんの出会いがあった。
2023/12/29 20:00
9.彼女達のコミュニケーション能力は高い。
2023/12/30 20:00
10.今年の終わりには一抹の寂しさを感じる。
2023/12/31 20:00
11.それは神様に頼むことではない。
2024/01/01 20:00
12.おみくじを引くのは久し振りである。
2024/01/02 20:00
13.このメンバーで集まるのは初めてのことだ。
2024/01/03 20:00
14.彼女のためならそれくらいどうということはない。
2024/01/04 20:00
15.偶にはこういうのもいいのかもしれない。
2024/01/05 20:00
16.冬休みにも課題はつきものだ。
2024/01/06 20:00
(改)
三学期編
バレンタイン特別編
2024/02/14 20:00
俺達は尊敬できる先輩の門出を祝う。
2024/03/01 20:00
これからも(由佳視点)
2024/03/14 20:00
俺達の未来はきっとこれからも明るい。
2024/03/31 20:00
番外編2
番外編4 昼食後はやけに眠くなる時がある。
2025/10/28 20:00