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【連載版】結婚の約束をした幼馴染と再会しましたが、陽キャになりすぎていて近寄れません。  作者: 木山楽斗
夏休み編

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2.俺は思っていた以上に独占欲に溢れている。

「え? 恋愛シミュレーションゲームが浮気になるかって?」

「ああ……」

「別にならないんじゃないかな……?」


 俺の質問に対して、由佳はそのように答えてくれた。

 やはり、俺の心配は杞憂だったようだ。所詮はゲーム、彼女はそう思ってくれているのだろう。


「逆に聞くけど、ろーくんは例えば私が男女が逆のゲームをやっていたら何か思ったりするの?」

「え? いや、そう言われると……」


 由佳に質問されて、俺は少し面食らっていた。

 画面の中にいるイケメンに夢中な由佳、それを想像するとちょっと嫌なような気もする。


「……やはり恋愛シミュレーションゲームはやめよう」

「あれ?」

「言っておくが、俺は別にそのゲームをやりたいとか思っていた訳じゃないんだ。由佳と付き合い始めてから、そういうゲームは控えるようになっていたからな。今回は偶然買ってやっていなかったゲームを月宮が勧めてきたからやってみることにしたというだけで……」

「いやろーくん、私は良いって言ったよ?」

「む……」


 俺が急に早口になったからか、由佳は少し苦笑いしていた。

 なんというか、無性に恥ずかしくなってきた。俺はなんでこんな言い訳を重ねているのだろうか。


「でもそっか、ろーくんは嫉妬してくれてるんだね?」

「え? あ、いや、それは……そうなるのか」

「ふふ、嬉しいなぁ……でも、心配しなくていいんだよ。私は、ろーくんのものなんだから」

「由佳……」


 そこで由佳は、俺にゆっくりと身を寄せてきた。

 俺はその体に、そっと腕を回す。彼女が俺のものだと主張したくて、体が勝手に動いていたのだ。

 由佳の柔らかさも温もりもとても心地いい。その温もりを、もっと感じたくなる。


「だけど、考えてみるとどこまでがセーフかっていうのは難しい気もするね?」

「どこまでセーフか?」

「芸能人……例えばアイドルとかだと、私もちょっと嫌だなって思って」

「なるほど、それは確かに……そうだな」


 由佳の指摘に、俺は思わず唸ってしまった。

 ゲームの登場人物に嫉妬しるくらいの俺なので、当然アイドルとかを推されるのはすごく嫌だ。恋愛感情ではないとわかっていても、できればやめてもらいたい。


「思っていたよりも、俺は独占欲があるみたいだな……」

「それは嬉しいよ。ろーくんがそれだけ私のことを大切に思っているっていうことだし……」

「ああ、それはもちろん。俺は由佳のことが好きだし、何よりも大切に思っている」

「う、うん。私もろーくんのことが大好きだよ」


 俺は由佳と、ゆっくりと唇を重ねた。柔らかいその唇を味わいながら、お互いの愛を確かめ合う。


「そんなろーくんに、今日は見てもらいたいものがあるんだ」

「見てもらいたいもの?」

「うん。ちょっとだけ後ろを向いてもらってもいい?」

「ああ、それはもちろん構わないが……」


 由佳に言われて、俺はとりあえず彼女に背を向ける。するとその直後に、カーテンが閉まる音が聞こえてきた。

 さらに続いて、布が擦れるような音が聞こえてくる。それは明らかに、服を脱いでいる音だ。

 状況から考えると、由佳は着替えているということだろうか。正直すごく後ろを向きたいが、信頼を失うためそれはやめておいた方がいいだろう。


「ろーくん、もう振り返ってもいいよ」

「あ、ああ……うおっ」


 由佳に呼ばれて、俺はゆっくりと後ろを振り返った。そして思わず怯んだ。

 俺の目の前には、それなりに際どいピンク色の水着を着た由佳がいる。以前も水着姿は見せてもらったが、それとは少し違う水着だ。


「どう? 似合ってるかな?」

「も、もちろん、とても似合っている……」

「ありがとう、ろーくん。えへへ、この間舞達と買い物に行ってね。買っちゃったんだ」

「そ、そうなのか……」


 由佳が時々四条達とショッピングに行っていることは知っていた。だが、まさかそんなものを買っていたとは驚きだ。


「かなり……露出が多いな?」

「あ、うん。そうだよね……ろーくんは、こういうの嫌い?」

「いや、俺は好きだ。ただ、それを人前で着られるのはちょっと……」

「もちろん、ろーくん以外の前でこんな水着は着られないよ。舞達に見せるのだって、ちょっと恥ずかしかったし」


 由佳は、前にも俺に見せるためだけの水着を用意してくれていた。

 それは俺にとって、どうしようもないくらいに嬉しいことだ。同時に、とても安心することができる。


「だからね、ろーくん。この水着は、ろーくんが好きなようにしていいんだよ」

「な、何?」

「見たいって思った時には言ってくれていいからね。せっかく買ったんだし、いっぱい使った方がいいし」

「な、なるほど……」


 由佳の言葉が何を意味しているかは、すぐに理解することがきでた。

 故に俺は、ゆっくり息を整える。これから起こることに、きちんと対処するために。


「それなら、その水着をたっぷりと味わせてもらろうかな?」

「……うん」


 俺の言葉に、由佳はゆっくりと頷いてくれた。

 こうして俺は、しばらく彼女の水着を楽しんだのだった。

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― 新着の感想 ―
こいつら水着でノクターンしたんだ!
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