比較的真面目に牙突を練習してみる【2024/09/01】
子供が傘でやって同級生を怪我させる技。漫画『るろうに剣心』の牙突。
意外と難しい技じゃないかしらこれ……。
斎藤一さんは実在の人物だけど漫画は完全に別物としても。
この人なんかタメして打ち込んでいるけど。
基本的なこと。
剣道では右手が前で左手を後ろに剣を持つ。
【概要】
体を開いて右手で狙いつけて左手は剣の端を長く持っている状態で構える。
腰は大きく落とす。
突撃してぶっ刺す。
身体を開くの時点で割と難しい。
要するに剣を後ろに逃すので身体を横向きにして剣に当たらないようにする。
子供は『がとつー』と傘で真似するけど。
剣の用法としては刀身が相手から見て視界に先端しか見えないように待つのがいい。見えないので長さもわかりにくい。
あの絵のままだと今から突くのに長さバレバレだし、実際の運用は槍投げみたいなフォームなのかもしれない。あんまかっこよくない。
実際の運用を考える。
人間の視界は余計なものを見ないようにできている。
まして高速のものを見ようとすると視界は大きく狭まる。
なので、剣だけを引いて下げる。
剣は普通の正面構えから相手の目の高さ、地面に平行にしつつ、体を開いて剣を後ろに逃す。自然に霞の構えになる。重要なのは後ろに下がらない。前に出てもしくはムーンウォークみたいに脚を組み替えて霞の構えになる。
こうすると敵からは後ろに下がられたように感じる。剣だけが下がっているからだけど。
めちゃくちゃリーチが稼げるので霞構えからの短い突きでもヒットする。
ちなみに剣道でコレやる人は動きが大きなこともあってあんまいないってか、普通にめちゃくちゃ危険なのでやめて欲しい。相手が薙刀とかならまだしも両手で突くからか意外と安定する。つまりドチャクソ痛い。
(※ちなみに薙刀にも左右に前足や後ろ足を動かして身体をスライドするだけで薙刀は見えているのに使い手が消えて見える技がある。『月光』という)
この上腰も落とすなら完全に投擲の動きになる。
つまり自然に左手は逆手になるのでさらにリーチが落ちる……のだが剣の端を押し込むように持つなら割と自由が効くようになる。
自然強力な技にはなる。なるのだが。当たるのかは不明である。動きが大きすぎる。
……やっぱり見映えは創作に大事だよ兄貴ィ!
そもそも、剣より杖みたいに程よい長さで断面が真円になっている棒切れでやった方が使いやすくないかしら。自分の手を怪我しなくてすむし、斉藤さん素手でも牙突しているよね。
本稿と似て異なる技としては剣道の正面構えから左手だけ瞬時に逆手にして落とすように使うと刃が上になり敵の足の甲を攻撃するカウンター技になる。
これは力は全くいらず、剣が自由落下するだけのイラッと来る系統だ。
杖の上端を持つようにして支えるように持って突くのがポイントだ。
人間は投擲や歩行などの単純なパワーより運動効率特化生物さんである。
……霞構えカウンター突きだけでも充分なのに殺す気まんまんじゃないかしら。斉藤さん。