背刀打ち、逆手刀(ぎゃくしゅとう、ぎゃくてがたな)【2021/04/04】
個人的にはノーマルな手刀うちは熊手(本来は掌でビンタするときに威力を高める技。指の関節は全て曲げ、手に沿わせることで緊張と脱力を手に集中できる)でうつことをお勧めします。指をケガしなくて済むし小指側の筋肉がいい感じに張ります。空手は外側から斬るうち方をよく習うけど、プロレスの胸をボンボン打ち合うチョップが発剄っぽくて筆者のお気に入り。
熊手は手刀と同じく防御と同時に目つぶしにも使えます。詳しくはこちらの動画をどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=qKSsy6xSXGo
手刀受けからの投げ技は古流空手にも残っているが、本技は親指側を用いた逆手刀やバラ手(指を開いたまま指による軽くて速い逆ビンタ)によって攻撃を受け流す。
この際すべての動きの基本になるが『脱力』と『とめ』、『間』(※動きそのものより『なにもない』を意識するデザイン能力と定義する)を意識すること。
熟練しないうちは力むことは基礎体力をつけるうえで重要だが、修練が進めば逆に可能な限り脱力し、骨と筋で支える事、重力をうまく活かすことが肝要になる。
これができないものは立つ練習から始めること。
詳しくは『最高の走り方』(広山勉 著 小学館)を参照。
こののち相手をとらえ、捻り、脱力で身体を落として膝を持って敵を制するなどの用法がある。そしてあくまで本稿は妄想である。
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以下はチラシの裏的補記だが本稿より長い。
逆手刀(空手における正式名称は背刀打ちだが本稿は武術の素人である筆者に理解しやすいようにしている)は手刀の一種。余談だが手刀で有名な技は寺流錬心舘初代宗家である『保 勇』師範が編み出した螺旋手刀打ち。同氏は『後ろ回し蹴り』『逆風足刀蹴り』等の回転技も空手に導入した。
(※中国武術の逆輸入? 情報求む)
手刀は単純な威力では正拳突き(※パンチ)に劣るが、拳を傷めずコンクリートブロックを破砕する能力を持っており、人間の視界外(※もしくは意識の外)からの攻撃を可能とするため現在の試合には使われないが各流派では基本稽古にはいまだ重要な技となっている。
手刀によるコンクリートブロック破砕については臺丸谷政志先生の著作『日本刀の科学』(SBクリエイティブ社)もしくは同氏の論文を参照のこと。筆者は空手に詳しくないので理解しがたいがこの衝撃力持続時間が手を壊さない理由の一つだと愚考する。要情報。
簡潔に述べると車が対象にぶつかる時の衝撃が伝わる時間は1/10秒。
空手の手刀は1/1000秒。
日本刀に至っては1/2000秒しか持続しない。
衝撃の反動は普通に自分の手や刀を破砕するので、高威力の技や武器を持つ者は如何にして自分の手や武器を欠損しないように戦うかは重要な懸案事項である。なお、日本刀は読者が思うより簡単に刃こぼれしたり曲がる。手刀に至ってはいわずもがな。
同氏曰く、空中停止したコンクリートブロックに対して(※つまり支持体無しで)も手刀は同対象を破砕可能。
さらなる補記。人間の視界や知覚能力について雑記。
一般に中心視界僅か1-2度、有効視野4-20度、周辺視野100度。認知する本人の加齢や体調、対象の運動速度によって変動する。色の識別範囲も変わる。
余談だが視覚情報は当然ながら人間の脳が処理しないと使えない。
この処理速度は0.1秒ほどだが進化の過程のせいか聴覚などより処理速度が遅いことが知られている。
映像業界の知人曰く、『常識として』CMに使う音声は0.1秒遅らせる事、『本物に感じないため』あえて偽物の音を入れることが必須とされる。
これも脳が映像や生音声そのままだと『偽物』と自動判断するからだそうである。
人間の脳みそは結構いい加減で、特に入眠時などわずかな光の残滓などを勝手に別の映像に処理し幻視する。同じことが戦闘中でも頻繁に起こることを忘れてはいけない。見間違いを防ぐ場合『注視する』必要があるが、当然それをやると視界は狭まる。それを乗り越えるのはフロー体験と呼ぶものがあるが、これはまぁ……機会があれば。