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佐原涼子の悩み

私佐原涼子は人と話すのが苦手です。人と関わるのが苦手です。でも唯一話せる人もいます。それが佐藤先輩です。こっちに来てバイトを探してる時自分を変えなきゃと思って人と接する機会の多い自営業の居酒屋に応募して受かりました。その時出会ったのが佐藤先輩です。物覚えの悪い私に呆れる事無く丁寧に教えてくれて今では大分働けるようになりました。そんな私は佐藤先輩に惚れてしまいました。釣り合ってないのは分かります。佐藤先輩はかっこいいし、話しやすいし、それに美人な先輩がいるから…私なんて眼中に無いと思います。そんな時私をモヤモヤから解消してくれたのがSNSです。SNSは1人で勝手に呟けるし、それに反応してくれる人もいる。顔も分からないから凄く話しやすくて、色々話すことが出来ました。それで私は満足していたのに…

「なんでこうなっちゃうかな…」

時々出かけてる写真や服装を撮ってアップをしていたら特定されてしまった。今日も後をつけられていたし。何も知らない相手からひたすら付きまとわれるのは本当に怖い。

「今日佐藤先輩がいてくれて良かったなぁ」

いつもはバイトで会うことしか出来ないが暫くはボディーガードというていで一緒にいられる。

「でも友達て言われちゃったな…」

友達と言われて嬉しい反面ショックも受けました。いくら釣り合わないとわかっていても心の中では割り切れないものなのです。

ストーカーに恋心もう私の心はめちゃくちゃです。早く解決して佐藤先輩と友達から始めるんだ…!そう思うと自分でも何とかしようと思ってブロックしてたストーカーをブロックから解除し、メッセージを送る。

『もう付きまとわないでください』

恐怖で指が震えていたがこれ以上先輩達に迷惑をかけたくない一心で送信した。

数分後に通知がなり返信が来た。

『何言ってるんだい?僕と君は運命なんだよ?ネットで出会ったのにこんなに近くにいた。僕と君は結ばれる運命なんだよ。だからブロックも解除したんだよね?』

『それに今日の男は誰だ?僕以外の男といるなんて浮気じゃないか。あんな男ぶっ飛ばして訴えてやろうか?』

『今日も涼子ちゃんの服の写真にぶっかけたんだぁ写真送るね』

連続で来るメッセージに私は一瞬で青ざめました。

「なんで…?なんでこんなことするの…?気持ち悪い…」

恐怖、怒り、悲しみ、羞恥、様々な感情が私の中で渦巻く。

「もう嫌だ…」

私は震える手で佐藤先輩にメッセージを送る

『助けてください。私もうダメかも知れません。』

今日のシフトに先輩の名前があった。返事が来ないのはわかっていたがメッセージを送らないと怖くて仕方なかった。

「もう解放されたいよ…」

怖くて布団に潜っていると着信音が鳴った。

「誰…もしかしてストーカーに電話番号バレた…?」

恐る恐る携帯を手に取るとそこに表示されていたのは『佐藤先輩』だった。

「どうして…バイト中のはずなのに」

さっきのメッセージで慌ててかけてきてくれたのかな…。バイト先にも迷惑かかるし…

「ごめんなさい先輩心配してかけてきてくれたのに」

私は電話には出ず、メッセージで『すみません。大丈夫です。バイト頑張ってください』と送っておいた。そして私はまた布団に潜り込んだ。

それからどれくらい経っただろうかインターホンが鳴った。恐怖で体が強ばる。ストーカーは私の家を知っている。部屋の番号まで把握されている…?恐怖で体が動かない。怖い怖い怖い。

恐怖で震えていると携帯がなっていることに気づく。着信の名前を確認すると『佐藤先輩』

「先輩ぃ…」

「佐原さん!大丈夫なんだな?!」

先輩の焦った声が電話越しに聞こえてくる。

「すみません…私怖くて…また先輩に迷惑を…」

「僕は大丈夫だから。今君のマンションの前にいるんだけどどうしようか?」

「もしかしてインターホン鳴らしてたの先輩ですか…?」

「そうだよ」

「どうして…私の部屋知ってるのですか…?」

「送った時に君がその部屋に入っていくの見てたからね。君のことだからこれ以上僕達に迷惑かけれないと思ってストーカーにメッセージ送ったんでしょ?僕は観察と推測が唯一の取り柄だからね」

そう優しく声をかけてくる先輩。やっぱり私はこの人のことが好きだ。その思いは抑えられない。

「大丈夫そうなら今日は帰ろうか?」

ここまでしてもらってこのまま返すのは流石にできないです。

「いえ、申し訳ないので上がってください」

私は初めて自分の部屋に男の人を招き入れた。


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