#9・秘密の趣味
ウシガエル貴族を罰したとして、宿屋フラワーガーデン中の人からレントは拍手喝采を浴びた。
日頃から誰にでもあんな態度で接していたウシガエル貴族はみんなの嫌われ者だった。
そんな大騒ぎをしていたら、周囲に広まらない訳無く、レントを1目見ようと大勢の人がフラワーガーデンにやって来た。
食事場はかつてない程の売り上げで、集まった人の中には貴族のマダムや、平民の中で美魔女と評判のマダムが居て、1ヶ月の宿泊を受付に頼んでいた。
渦中の人であるレントは、いつの間にかコッソリとフラワーガーデンの外に逃げていた。
( まったく・・・当たり前の事をしただけで騒がれるとは・・・この国は平和すぎるな )
レントはあてもなく歩き出した。
「ほぉ。つまり王子と知らずに罵り騙されて罪に問われていると?」
王宮でウシガエル貴族相手に、国王のリョウタは眉を寄せた。
「その通りにございます。私は決して法に背くような事はしておりません!」
ウシガエル貴族は、身振り手振りで大袈裟に無実を主張していた。
「なるほどのぉ〜・・・」
リョウタは腕を組んでウシガエル貴族をしっかりと見据えて言った。
「悪かったの。ワシについてまいれ!良き所をお主に見せよう!」
リョウタの後に続いて、護衛の騎士3人とウシガエル貴族は王宮の地下に降りていった。
「着いたぞ。どうじゃワシの趣味を楽しむ場所じゃ。」
着いたのはどこから見ても、地下牢そのものだった。
あちらこちらに手錠や鎖、血痕等があった。
「なるほど・・・国王様も、お好きだったんですね!奴隷をいたぶる程楽しい事はないですからねぇ〜」
ウシガエル貴族はリョウタの横に並んで、汚い笑い声を響かせた。
「あぁ。いたぶり、首を裂き、断末魔を聞くのは最高に楽しいな。」
「さすが国王様!良い御趣味ですな〜」
ウシガエル貴族はリョウタの口調と雰囲気が変わったことに気付かずに、ゲヘヘと鳴いていた。
「へぇ〜。お前は面白い奴だなぁ・・・」
「ありがとうございます!国王様はどのような奴隷をいたぶるので?」
リョウタは護衛の騎士から、特別に作らせた日本刀を受け取り、鞘からスッッと抜いた。
「先ずは足を切り飛ばし自由を奪うんだよ・・・」
シュン・・・・・・ポトッ・・・
「うぎゃゃゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁああ!」
リョウタは一刀でウシガエルの足を飛ばした。
「その後はな・・・抵抗出来ないように腕も飛ばすんだよ・・・」
シュン・・・・・・ブシュュュュ!!!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ウシガエルの肩から先を切り飛ばすと、大量の血が吹き出た。
「最後に首を落として終わりだ。」
ブォン・・・・・・
ウシガエルが聞いた最後の音は、日本刀を振り抜いた音だった。
「こんなクズでも血の噴水だけは美しいな・・・」
リョウタは冷めた声と獣の目で、残酷な噴水を見ていた・・・
残虐?
いいえ・・・当然の報いですよ?
お楽しみください┏●