#6・断罪
「 それでは明日から仕事開始として、本日は坊ちゃんの物となるこの宿を見て回ってください。」
レントはリンに連れられて客室、食事場、外にある畑を見て過ごした。
翌朝
号外新聞に大きく【 ヤマト国王、新法律発足!貴族に対する圧力か?⠀】と書かれた物が出回った。
レントはスタッフ専用の部屋で目を覚ました。
するといつの間にかベッドに座っていたリンと目が合い、
「 いたのかリン。 」
「 屋敷に務めていた時からレント坊ちゃんの寝顔を見るのが、メイド達の至福の時間でしたから。 」
恥ずかしい事を暴露するリンに、少し顔を赤らめてレントはベッドから降りた。
「 お食事が出来ております。どうぞ食事場の方へ。」
宿泊客も少数だか食事場に座っていて、新聞を読みながら食べたり、連れと号外の事で話していたりと思い思いに過ごしていた。
レントが隅のテーブルに腰掛けて料理を待っていると、口ヒゲを生やして両脇の女性の腰に手を回して、下卑た笑みを浮かべた男がやって来た。
女性は灰色のワンピースを着て、腕には冷たい鉄の腕輪をはめていた。奴隷だ。
「 ワシの飯はまだか〜!昨晩より腹が減っている。早く持ってこぬか! 」
我が物顔で言うと、奴隷女性の1人の胸に手を当てた。
他の客は見て見ぬふりをして、関わらないようにしていた。
「 お客様。他の方の迷惑になりますので、そういった事は御遠慮下さい。」
厨房の奥から、綺麗な青い髪を一纏めにした女性が貴族に注意をしにやって来た。
「 なんだ貴様は?このワシにたてつく気か?ワシは王宮にも度々呼ばれている大貴族だぞっ!そのワシに注意とは、この宿もワシが潰してやるぞっ! 」
この男は気に気に入らない事があると、金を使い店ごと買い取って売り上げ金を巻き上げる、と評判があった。
「 なるほどな・・・いつもそうやっていたんだな。至福を肥やしたウシガエル風情が!! 」
レントは俯きながら言った。
ピクリ・・・
「 ワシを愚弄するとは、どこの肥溜め出身の汚らわしいハエだ!! 」
貴族は立ち上がりそう言うと当たりを見回した。
( 1字1句記録してる人が居るとも知らずに・・・これだから腐った貴族は・・・ )
レントが立ち上がると、ウシガエル貴族は肩に手をかけた。
「 貴様か!顔を見せてみろ!ドブネズミが!! 」
レントは満面の笑顔で振り向いた。
「 王宮に来た事があるなら俺の顔を知ってるよな〜?クソ貴族様よ〜? 」
「 なっ・・・お、王子・・・いやっ、その〜・・・ 」
ウシガエル貴族は顔を引きつらせて後ずさった。
「 随分、愚弄してくれたな?肥溜め出身に、汚らわしいハエ。王宮侮辱罪と王族に対する侮辱で貴様を死刑に処す!! 」
レントが言い放つと同時に、衛兵30人がフラワーガーデンに入ってきた。
どこに聞き耳立ててる人が居るか分かりませんからね・・・(ΦωΦ)フフフ…
お楽しみください┏●