表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始まる花畑  作者: SHELLY・BOSS
12/19

#12・唐突

「さてと・・・居るべき場所に戻りますよ〜」


昏睡して聞こえるはずもないのに、優しい口調で黒フード隊長はレントを抱え上げた。


「この子に探されたら面倒ね・・・」


部屋の隅にあったメモ用紙に(2人で寝てしまって俺は時間なので帰る。ありがとう)と書いて

机に置いた。

黒フード隊長はレントを抱えたまま、誰にも見られないように走ってフラワーガーデンへと向かった。


(なんだこの感覚・・・身体が動かない・・・)


レントが目を開けると街が風のように過ぎていった。


(ハハ・・・夢でも見ているのか・・・)


レントが目を開けているのを知ってか知らずか、黒フード隊長はレントをお姫様抱っこに変えて走る速度を上げた。


(誰だ?フードで見えない・・・当たってるのも気にしてないのか・・・)


レントの頭の中には疑問と幸せが広がっていた。

黒フード隊長は街外れの小屋に入って、レントをソファーに寝かせた。


「アイツらの仕事の遅さは腹が立つが、こうゆう時は有難いと思うな。副隊長も着いていながらここまで遅いとは・・・訓練のやり直しだな。」


独り言を言って、フードが付いた黒い外套を脱いだ。

切れ長な赤い目に、長くサラサラな銀髪。

黒フード隊長を見たレントはその美しさに息を飲んだ。


(貴族の令嬢なんか目じゃないな。っとそれより俺は誘拐されたのか?)


レントが目だけで小屋の中を見渡すと、見覚えのある絵や、子供服などが飾られていた。


「薬の効果は・・・あと10分だけじゃない!?」


黒フード隊長は慌てた様子でレントを寝かせたソファーを見た。

幸い、レントは薬とゆう単語を聞いて目を瞑っていた。


「やっとこの日が・・・レント君を抱き枕に出来る!」


そう言って、ヨロヨロとソファーに歩いてレントに跨った。


(抱き枕だと・・・何を考えているんだよ・・・)


「レント君・・・ぎゅー♡」


ぎゅー♡と表現するにはかなり力強い抱擁だった。


(いっっってぇぇぇ!人間相手に抱き枕するとここまで力強くなるのかよ!)


「レント君の匂いだ〜♡離したくないよ〜♡」


(くっそぉ・・・誰だか分からんが絶対文句言ってやる!どこか動きは・・・・・・動いた。)


レントは数ミリ単位で指、腕、足、頭。と動かして確認した。


(背中の感覚はないが・・・とりあえず、どかせるぞ!)


レントは大きく息を吸って、腕で押し上げながら、


「力強すぎて痛いんだよー!早くどいてくれー!」


「きゃっ!あっ・・・♡」


ラッキーハプニング込でレントは黒フード隊長を睨みつけた。

抱き枕、新しいの買わなくちゃ・・・



お楽しみください┏●

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ