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始まる花畑  作者: SHELLY・BOSS
10/19

#10・知識と静寂

「へぇ〜こんな静かな所もあったのか。」


フラフラと歩いていたレントは、図書館に入って辺りを見渡した。

適当に本を1冊手に取って、机についた。


大戦前からの歴史を綴った本には、日本の事や

地続きになる前の周辺諸国の歴史も書かれていた。

読み進めて行くと大戦中、大活躍した人の名前とその人の生い立ち。兵器や戦術など事細かに書かれていて、レントは1つの単語に目が止まった。


()()()。大戦中に兵士の憩いの場として提供され、ここが無ければ生き残れなかった兵士も居た。興味深い・・・」


レントは立ち上がって、花畑壮に関する本を探した。


「あった・・・大戦の憩い場。そのまんまの題名だな。」


レントが手に取ろうとすると、死角から同じ本に手が伸びてきた。


「あっ。すいません。どうぞ読んでください。」


驚いている女性の声に横を向くと、メガネをかけた勤勉そうな雰囲気の女性が居た。


「いや。構わないぞ?ほら。」


レントは本棚から手に取って、女性に渡した。


「えっ。あ、ありがとうございます。」


受け取って、レントと目が合った女性は驚いて口をあんぐり空けた。


「おっ、王子様・・・街で血眼になって探されてる王子様が、私の目の前に・・・」


女性はオロオロと辺りを見渡して、レントを見た。


「どうした?そんなに慌てて?」


「王子様がここに居るって知れたら、沢山の人が来ますよ。」


「へぇ〜。じゃあ、誰にも知られないような静かな場所は無いか?」


女性は少し考えて、赤くなりながら口を開けた。


「そ、その〜・・・私の家はどうでしょうか?」


「君の家?確かにバレないだろう。よし!案内してくれ。」


レントは女性の手を取って、図書館を出た。




「レントの様子はどうだ?」


王宮の玉座の間で、リョウタは黒いフードを被った従者に言った。


「貴族を捕らえた事で、街の女性が1目見ようと宿に殺到しておりました。」


「ブッ!ハッハッハ!あやつもようやくモテ始めたか!さぞヘラヘラしておっただろう?」


リョウタは腹を抱えて笑っていた。


「それが・・・レント様はその場から、いつの間にか居なくなっていました。」


「なに?誘拐か?」


従者の報告でリョウタは真剣な顔になった。


「いえ。宿を出て、図書館に行ったようです。その後の足取りは別の者が負っています。」


「そうか・・・監視を続けろ。この街はまだ腐っておるからの。」


従者はリョウタに一礼して、素早く王宮を出た。

図書館、最近行ってないな〜・・・



お楽しみください┏●

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