オオカミさんとマイミーと無言のおばあさん(パターンB)
手をとっていただきありがとうございます!
夜風が吹く中、寝ていたマイミーはゆさゆさ揺れる中で目を覚ましました。
そう、起きた場所はオオカミさんの背中の上でした。
マイミーはとても不思議に思いました。
どこかに行ってしまったオオカミさんがどうしてここにいるのかと。
それでもそんなのどうでもよかった、マイミーはオオカミさんとまた会えて、出会えて、帰ってきてくれて、マイミーはとても嬉しくて、また涙を流しました。
「クゥーン」と鳴き、オオカミさんもやさしく背中に乗っているマイミーの顔を舐め回しました。
オオカミさんとマイミーはすごく嬉しかったのです。また会えた、また出会えたことに。
しかし不思議でした。鉄砲で撃ち抜かれたはずなのに、どうして無事だったのか。
銃弾は、マイミーの横腹の皮膚を少しかすめるだけで済んでいて、服に穴があいている程度でした。
オオカミさんにいたっては、一本の針が刺さっているだけでした。
マイミーは背中から降り、そっとその針を抜いた瞬間「バーンッ」と言う銃声が森の中をまたかけめぐりました。
オオカミさんは驚き、急いでフラフラなマイミーを背中にまた乗せ、お屋敷からすぐに離れ、走り出しました。
しばらく森を走っていると、山道にでました。道を下りていくといたるところで明かりがついている家が点々と見え始めました。
オオカミさんは急いで光っている家に向かいました。
マイミーはというと「はぁ…はぁ…」と息が荒く、激しく、吸っては吐いてを繰り返していました。
背中に乗る、守れなかった病気のマイミーをどうするべきか、オオカミさんはわかっていました。
オオカミさんは勇気をふりしぼって明かりのついている家に近づきました。
オオカミさんはマイミーを玄関前で背中から降ろし、玄関に向かって吠えました。
すると家のドアが開き、一人のおばあさんが出てきました。
マイミーはすでに限界でした。おばあさんを見た瞬間、その場で倒れてしまいました。
オオカミさんは倒れたマイミーに近づいて、顔舐めました。
マイミーは「ニコッ」って笑い、オオカミさんの頭を撫でました。
するとおばあさんは、無言でマイミー抱きかかえて家に入って行きました。
オオカミさんはマイミーが入っていた家の前で待ちつづけました。
何日も…何日も…。
数日後、長く閉ざされた家のドアが開きました。
そこには綺麗になって可愛らしい服をまとっていたマイミーが出てきました。
オオカミさんが知っているマイミーではありませんでした。
「うー!!」とオオカミさんはおばあさんをにらみました。
綺麗になったマイミーがオオカミさんに近づくと、警戒していたオオカミさんにむかって、そっと手をさしのべました。
するとオオカミさんはその手のにおいをかぎはじめました。
その瞬間、マイミーだとわかり、オオカミさんはしっぽを大きく振り「ワォーん!」っと、とおぼえをしました。
マイミーは「ニコ」って笑い、オオカミさんに抱きつきました。
マイミーは嬉しかったのです。大好きなオオカミさんにまた会えて、嬉しくてたまりませんでした。
おばあさんも「ニコ」って笑い、二人の頭をやさしく撫でました。
こうして、オオカミさんとマイミーとおばあさんは一緒に暮らすことになったとさ。
無言のおばあさんは天涯孤独の人でした。
おばあさんにとっては、頼られることがとっても嬉しかったのでしょう。
とういう設定です!